うつ病と間違えやすい心の病気の代表として
「不安神経症」が挙げられます。
うつ病と根本的に異なっているのは、
患者が病的なほどに「強い不安」を感じている点です。
私も受験期に強い不安が
頭から離れなかった経験があります。
もともと、不安や恐怖というものは、
誰でも少なからず感じるものです。
感じるどころか、むしろ自分の命を守るための
防御的な働きを促していると言えるでしょう。
(参照)>>うつ病の原因は扁桃体にあった
~恐怖による暴走とストレスホルモンの関係(NHKスペシャル)
たとえば、あなたが暗闇を歩いていて、
突然暴漢が襲ってきたとしましょう。
その時、あなたの心臓の鼓動は高まり、
呼吸は速くなり、冷や汗をかいたりする
などの症状が現れることでしょう。
実は、それらの症状は、
あなたが暴漢と対峙するために
交感神経が身体に働きかけ、
変化を起こさせているのです。
心臓の鼓動が速まるのは、
血液を多量に送り込み筋力を高めるためですし、
呼吸が速くなるのは、酸素供給を高めて
エネルギー産生を高めるため、
また冷や汗をかくのは、火照った筋肉を冷やし
手に持ったものをすべらないようにするためなのです。
このように、恐怖や不安は、個体を保護し防衛するうえで
必要かつ重要な働きを促していると言えます。
ただ、この防衛システムが過剰に反応しすぎてしまうと
些細な事に対してさえ病的に強い不安を感じ、
社会生活に支障をきたしてしまうのです。
これは、あきらかに病気と言えるでしょう。
不安神経症では、ふるえ、動悸、冷や汗などの症状があらわれ、
ひどい時には発作を起こしてしまいます。
この発作が、強い恐怖として印象づけられてしまうと、
また発作が起きるのではないかという不安が生じ、
実際に発作を起こしてしまうという悪循環に陥ります。
この悪循環が不安神経症の最も恐ろしい特徴です。
不安神経症になりやすい人は、
うつ病特有の「真面目で几帳面」な性格というよりは、
「神経質で内向的」な性格の持ち主が多いようです。
身体症状としては、目眩、吐き気、震え、動悸、
呼吸困難などが見られますが、
うつ病のように著しい体重の増減などはありません。
治療時の薬物療法においても
うつ病は抗うつ薬を中心に処方されるのに対し、
不安神経症は抗不安薬が処方されるという点でも違いが見られます。
不安感が強い人には、体感を通して自然に
安心感や自信を感じられるようになる
「プチ認知療法」をお勧めします。
(参考記事)
>>プチ認知療法 vs 自己メンタルセラピー講座 どっちがいいの?
私の体験談が何かの役に立つかもしれません。
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