うつ病で精神障害年金の診断書を医師に依頼しても、
拒否される方がいらっしゃるそうです。
今回は、医師が障害年金の診断書を
拒否する5つの理由について解説したいと思います。
1. 診断書を書くのに時間と労力がかなりかかる
2. 障害年金を受けられなかった場合のクレームを避けたい
3. 再審査請求にかかる時間と労力を避けたい
4. 医師が認定されないと思い込んでいる
5. 倫理的な問題として許容できない
以下、一つずつ見ていきます。
1. 診断書を書くのに時間と労力がかなりかかる
障害年金の診断書は項目も多く、症状の程度などを
詳しく記入しなければなりません。
一人一人の患者さんの状態をすぐに思い出せることは
できませんので、過去のカルテを調べ直して書くことになります。
手間と時間がかかる作業ですので、できれば避けたいと
思う気持ちはわからないでもありません。
また、診断書には患者さんの日常生活について
書く項目が多く、それによって認定されるかどうかが
決まると言っても過言ではありません。
多くて週1回の診察で、しかも時間がとれないために、
数分の診察では患者さんの日常生活などわかりません。
(参考)>>話を聞いてくれない心療内科~5分診療の知られざるワケ
書くことができないから拒否する、という場合もあるでしょう。
2. 障害年金を受けられなかった場合のクレームを避けたい
障害年金の受給資格を認定されるには、
ポイントを押さえた書類を提出する必要があります。
しかし、医師は病気を治す専門家であって、
障害年金に認定される診断書を書く専門家ではありません。
障害年金を書いても認定されることは難しい
と言われていますので、不支給になってしまう
可能性も十分にありえます。
そして、不支給になってしまった場合、
患者さんが不満をあからさまに口には出さないまでも、
医師への不信感につながる可能性はないとは言えません。
なかには、イライラしやすいうつ病の症状も手伝って、
面と向かって不平不満を言う方もいらっしゃるかもしれません。
または、すでに患者さんからクレームを言われた
経験が医師の方にすでにあるかもしれません。
医師も人間です。
患者さんから不平不満を面と向かって言われるのは
避けたいと思うのも理解できます。
クレームを避けたいから診断書を拒否する
ということも十分に考えられることです。
3. 再審査請求にかかる時間と労力を避けたい
障害年金が不支給になると、その決定に不満を持った
患者さんは、再度審査請求し認定してもらいたいと
思う方もいらっしゃるでしょう。
生活がかかっているわけですから、気持ちはわかります。
しかし、一度決まった決定はくつがえることは
ほとんどありませんし、再審査の決定が出るまでにも
6ヶ月~1年半ほどかかってしまいます。
時間のかかる再審査請求に巻き込まれて
イヤな思いをしたくないために、最初から
診断書を拒否するということも考えられます。
4. 医師が認定されないと思い込んでいる
医師は病気や薬の知識は豊富ですが、
障害年金の知識については、あまり詳しくない方も
多くいらっしゃるようです。
どういった症状であれば障害年金を受給できるのか、
という正しい知識がないために、
「あなたの症状では障害年金を受給できません」
と言って診断書を拒否する医師もいらっしゃるようです。
この場合は、単なる医師の知識不足と言えるでしょう。
5. 倫理的な問題として許容できない
これは年配の医師に多いと言われていますが、
うつ病で障害年金を受給するということに
抵抗を感じる方もいらっしゃるようです。
「あなたはまだ若いんだから、早くうつ病を直して
働いたほうが健全ですよ。」
こういった考えの持ち主です。
どちらかといえば、私もこの考え方に近いほうでした。
ですので、以前の記事でも書いたように、
うつ病で障害年金を受給することには反対でした。
しかし、実際に傷病手当金をもらえない自営業者、
無職、専業主婦、パート、アルバイトの方々などは、
うつ病で働けなくなり、生活費がなくなっていき、
余計にうつが悪化するという悪循環に陥っています。
>>傷病手当金をもらえないケースでも精神障害年金なら受給可能です
もちろん、症状が軽かったり、うつ病でもないのに、
障害年金を不正受給しようとする人は問題外ですが、
本当に必要としている人に対しては、障害年金を支給して、
うつ病を改善する土台を築くことも大切なことだと感じます。
少し話がそれましたが、障害年金を受給するよりも
うつ病を治した方が健全という理由で
診断書の拒否をする医師もいらっしゃるということです。
以上が、障害年金の診断書を医師が書きたがらない5つの理由です。
先ほど申し上げたとおり、本当にうつ病の症状がひどくて
働けない方のために、こちらのマニュアルを勧めています。
診断書を医師に断られた場合の対処法も書かれています。
私の体験談が何かの役に立つかもしれません。
良かったらご覧ください。