DSM-4からDSM-5への変更点は以下の2つになります。
1.子どものうつ病などについて追加
2.軽症のうつ病の内容を改訂
今回の記事では、軽症のうつ病についてのガイドラインの変更点を踏まえて、軽症うつ病について詳しく説明したいと思います。
両者の違いを説明する前に、まずはうつ病の診断基準についてご説明しましょう。
1.以下の9項目のうち、あわせて5つ以上を満たすこと
・憂うつ
・興味や喜びの喪失
・食欲の異常
・睡眠の異常
・そわそわする または 体が重い
・疲れやすい
・自分を責める
・思考力、集中力の低下
・死にたいと思う
2.その際、赤字の項目のどちらか1つを含むこと
3.上記の症状がほとんど1日中、2週間以上続く
4.仕事、学校、家庭などで何らかの問題が起きている
以上の1~4をすべて満たしていると、うつ病と診断されます。
軽症かどうかを判断する基準は2つあります。
1つは、症状の個数です。
上で挙げた症状の項目数が、5~6個と比較的少ない場合が当てはまります。
2つ目は「生産性は落ちていても、仕事や学校などに休まず行けている状態」であることです。
この2つの基準に当てはまれば、軽症と判断されます。
ただ、一概にこの2つを満たしていれば軽症とみなされるわけでもありません。
たとえば、「学校には行けているが、死にたい気持ちが非常に強い」という場合には、重症と判断される場合もあります。
症状を総合的に勘案して判断するということなので、軽症かどうかの境界線はあいまいな印象を受けます。
その結果、医師によって診断結果が異なるという矛盾もしばしば見受けられます。
うつ病の特徴として「抑うつ」症状がありますが、うつ病の他にも抑うつ症状を伴う病気があります。
たとえば、アルコール依存症や認知症、甲状腺の病気やガンなどです。
これらの病気をうつ病と誤診してしまうと、症状が治らないばかりか悪化してしまう怖れがありますので注意が必要です。
一旦これらの病気の可能性を除外した上で、うつ病の診断をすることが非常に重要となります。
冒頭でお伝えしたとおり、DSM-5では、軽症のうつ病の内容が改訂されました。
DSM-4では、休養の目安についての記載はありませんでしたが、DSM-5では休養に関する内容が追加されました。
今までは、うつ病だと診断されたら、症状が軽くても休養が勧められていました。
しかし、今回の改訂では「患者の状態に合わせて休み、場合によっては社会的役割を回復することも必要だ」とされています。
現実的には、休養をすすめる場合がほとんどですが、中には「ここは頑張って会社や学校に行った方がいいんじゃないか」というケースもあります。
そのようなケースで重要になってくるのが「レジリエンス」という概念です。
「レジリエンス」は「ストレス」とセットで覚えておくとわかりやすいと思います。
「ストレス」というのは、外から加えられた力に対する歪みのことです。
それに対して「レジリエンス」とは、反発しようとする力、つまり「自己回復力」のことを指します。
・あきらめない
・頑張ろう
・前向きな気持ちになりたい
・良くなりたい
こういった気持ちは誰もが持っているもので、うつ病を治すうえではとても大切な力になります。
現在のうつ病治療では、この「『レジリエンス』を伸ばすにはどうすればよいか」という観点が重要視されるようになってきています。
軽症うつ病の場合には、「心理教育」と「支持的精神療法」の2つを柱として治療が行われます。
心理教育とは「うつ病についての説明」のことです。
うつ病の人たちは、残念ながら「自分たちは怠けている、サボっているだけで、病気ではない」と誤解している人が数多くいらっしゃいます。
うつ病についてしっかりと説明することで、病気であることを正しく認識してもらいます。
その他、「どのように治療を進めていくか」の説明も行います。
うつ病の場合、治療開始から「寛解」を経て「回復」に至ります。
「寛解」というのは、「症状がなくなること」で、ここが1つのゴールでもあります。
「治療開始」から「寛解」までは、早くて3ヶ月程度かかり、薬や治療を変えると半年~1年程度かかります。
「寛解」から「回復」までは半年程度かかり、「治療開始」から「回復」までを合計すると、だいたい1年ちょっとが治療期間の目安となります。
治療開始から寛解まで、一直線に改善していけば良いのですが、なかなかそううまくはいきません。
実際には「三歩進んで二歩下がる」という具合に、調子が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、徐々に改善していきます。
途中で治療をやめてしまうと、治療開始時よりも症状が悪くなってしまう人もいますので、とことん治す気持ちで治療に取り組むことが大切です。
うつ病については、このブログでも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
うつ病の人たちは、皆悩みを持っていたり、つらい体験を経験したりしています。
しかし、「こんなことを言ったら嫌われてしまうのではないか」などと考え、家族や親しい人たちに遠慮して、悩み等を言えない人も少なからずいらっしゃいます。
そんな時、「大丈夫です、秘密は守ります。」と言って、話を聞くこと(傾聴)が、人によってはまず何よりも効果がある、ということもあり得ます。
「心理教育」と「支持的精神療法」が軽症うつ病のメインの治療法ですが、さらに、患者さんからの希望があれば「薬物療法」や「認知行動療法」が行われます。
薬物療法と認知行動療法を併用することも可能です。
・睡眠、食欲の障害がある人
・落ち着かない人 など
・副作用がある
薬物療法については、自分の身の安全を守るためにも、ぜひこちらの記事をご覧ください。
>>うつ病の薬は飲みたくない!~10年以上治らないあなたへ
認知行動療法とは、ものの考え方や行動を修正する、より専門的な心理療法のことです。
・ストレスの原因が明らかな人
・妊娠、授乳中など、薬の服用が好ましくない人
・効果が出るまで時間がかかる
・専門医が少ない。予約待ち
うつ病が寛解、回復した人に「自分でできることで、何をしましたか?」というアンケートをとりました。
そのアンケート結果の中で、多かった回答が以下の3つです。これはオランダで行なわれたアンケートですが、日本においても十分当てはまります。
うつ病の人は、「3ヶ月後に仕事復帰できるだろうか」などと、先のことを考えて心配事を増やしてしまいます。
そんな先のことは考えずに、今日や明日の身近なことを考えることが心配事を増やさないコツです。
うつ病の人はネガティブなことばかり繰り返し思い出してしまう傾向があります。昔の楽しかった出来事などを意識して思い出すようにしましょう。
・決まった時間に家を出る
・起床・就寝の時間を一定にする など
昼夜逆転など不規則な生活を治したい人はこちら
>>朝の目覚めを良くする方法~光で起きる目覚まし時計とは?
・運動をする など
症状が重くてつらい場合には、運動をするとかえって悪化してしまいます。回復期などに軽めの運動から始めるのが良いでしょう。
例)週に3日、30~45分の散歩をする など
軽症のうつ病は、「本人が気づかない」「自然に治るだろう」などの理由から、治療しないままになりがちです。
軽症でも放っておくと重症化することがあります。重症化する前に、早めに対策をとることが大切です。
軽度のうつ病にはこちらがお勧めです。
>>プチ認知療法の本音レビュー
今回は、ソウルオリンピック シンクロナイズドスイミング・デュエットの銅メダリストで、メンタルトレーナーの田中ウルヴェ京(みやこ)さんのお話です。
テーマは「ストレスを健康寿命に変える」です。
田中さんによると、「ストレスは人生を幸せにするツール」だと言います。
最近の研究によって、ストレスはあればあるほど健康になることがわかってきたらしいのですが、本当なのでしょうか?
スタンフォード大学の健康心理学者の本「ストレスを友達にする方法」の中に、アメリカ人3万人に8年間おこなった研究について書かれています。
その研究では、3万人の被験者を下のようなA、B、Cの3グループに分類しました。
A:今までにストレス経験あり。ストレスは体に悪いと思っている
B:ここ数年、ストレスを経験していない
C:今までにストレス経験あり。ストレスは体に悪いとまでは感じていない
このA、B、Cグループの人たちが、8年後に死亡した数を多い順に並べてみると、【A→B→C】の順になりました。
Cグループが一番死亡した人数が少なかったという結果です。
この結果から「ストレスを体に悪いと思っていなければ、逆に寿命が延びた」ということがわかります。
つまり、ストレス自体が害なのではなく、ストレスを害だと感じてしまう「考え方」こそが害だったということです。
日本人は特に「過度な一般化思考」という考え方を持っていることが多いと言われています。
「過度な一般化思考」とは、たとえば「男(女)はこうあるべきだ」「人を嫌ってはいけない」「怒ってはいけない」「落ち込んではいけない」などのように、「そもそもマイナスな感情を持ってはいけないでしょ」という考え方のことを言います。
しかし、そのように考えてしまうことこそが、一番もったいないマイナス思考だったのです。
プラス感情、マイナス感情と言いますが、そもそも感情には優劣がありません。
考えてみれば当たり前ですよね。
「悲しい自分」も「イライラしている自分」も「喜んでいる自分」も、どれも同じ自分なのですから。
しかし、そんな「イライラしている自分」を否定する、あるいは否定していることにすら気づいていない人がとても多いのです。
たとえば、イライラの原因となっているある人を「嫌っちゃいけない。好きになろう」などと、自分に嘘をついて、疲れ果ててしまっているのです。
感情というものは、下図のように大きく4つに分類されます。
横軸は、右がプラス感情、左がマイナス感情を示します。
縦軸は、上が交感神経が優位に働いている時の感情で、下が副交感神経優位の感情です。
(交感神経優位の状態とは、「緊張」「興奮」などです。反対に副交感神経優位の状態とは、「落ち着いている」状態を指します。)
まずは、この4つに分類したどの感情にも気づいてあげることが大切です。
4つの感情に気づいてあげるトレーニングとして、それぞれの感情が起きた時の具体例(「〇〇をしている時が楽しい」など)を挙げてみてください。
どの具体例も、正しくも間違ってもいませんので、「〇〇にムカついた!」という話でも全然OKです。
このトレーニングを通じて、普段ガマンしている自分にも気づいてあげましょう。
普段からできる「小さな感情」に気づくトレーニングとして、「感情の言語化」がおすすめです。
たとえば、「いつも車で通っている道が工事中でイライラした」という場合、それをそのまま言語化します。
「私は、今日あの道が工事中だったのでイラついた」
すると、私たちの脳内では不思議なことが起こります。
この「感情の言語化」を行うことで、脳内の建設的な思考回路が増えることがわかってきたのです。
言語化する前のイライラした状態では、脳の中の「脳梁」という部分が活性化していますが、言語化することで「前頭前野」が活性化されます。
言ってみれば、感情を言語化することによって、感情が「脳梁」から「前頭前野」へ移動したと捉えることもできます。
「前頭前野」が活性化すると、「じゃあ、こうやってイライラしていても無駄だよね」「どういう対処行動を起こしたらいいんだろう」と考えるようになります。
つまり、「感情を出す→解決行動を見出す」というポジティブサイクルが回り始めるのです。
小学生のお子さんがいるご家庭で、親がこのポジティブサイクルを回しているのを見ると、小学生のころからそういうことができる子どもが増えてきます。
「マイナスな感情になっちゃダメ!」なのではなく、「なっちゃうのはしょうがない」んだから、「なっちゃった時に、さぁどうしようか」と、自分オリジナルの解決方法を探せるようになることが大切なのです。
「感情の言語化」を使って、今日からたくさんイヤな感情に気づいて、あなたオリジナルの解決行動を見つけてみてください。
マイナス感情を「人生を幸せにするツール」に変える。
そのことが「自信」となり、「自信があるから健康に生きていける」ようになるという、冒頭で紹介したスタンフォード大学の実験結果につながるのです。
]]>女性のほとんどが50歳前後で経験する「更年期障害」。
男性にも一部ですが、更年期障害が起きることがわかってきました。
男性更年期障害は、男性ホルモン(主にテストステロン)の分泌が低下することによって起きますが、治療によって改善することもわかっています。
男性ホルモン(主にテストステロン)は、精巣で作られて分泌されます。
男性ホルモンの働きには、以下のようなものがあります。
1. 筋肉・骨を強くする
2. 性機能を保つ
3. 認知能力を高める
4. 痛みをあまり感じさせない
男性更年期障害の症状には、心と体に及ぼすものがあります。
【心に現れる症状】
・興味や意欲の喪失
・イライラ
・不安
・憂うつ
【体に現れる症状】
・関節痛
・筋肉痛
・発汗
・ほてり
・疲れやすい
・肥満
・頻尿
・性機能の低下
うつ病の場合、食欲不振などの症状によりやせることが多いのですが、男性更年期障害の場合は太ることが多くなります。
やせるか太るかがうつ病と男性更年期障害の違いと言われていますが、冬季うつ病や非定型うつ病(新型うつ病)などの場合でも太ることはありますので、実際には症状だけで見分けるのは難しいです。
具体的に血液検査によって、テストステロンの数値が減少しているかどうかで判断するのが確実でしょう。
男性更年期障害の診断は、泌尿器科で行われます。
最近では、メンズヘルス外来や男性更年期外来などを設けている病院もありますので、わかりやすくなっているのではないでしょうか。
具体的な診断方法としては、「問診」と「男性ホルモンの検査」の2つで判断します。
問診では、体や心に症状が現れていないか、性機能は減退していないか、などをチェックします。
男性ホルモンの検査では、血液中のフリーテストステロンの値を測定し、8.5pg/mL未満であれば更年期障害の可能性が高いと考えられます。
問診と男性ホルモンの検査によって、ともに兆候が現れている場合に男性更年期障害と診断されます。
まず、基本的に誰でもできる男性更年期障害の治療法として「生活環境を見直す」ことが挙げられます。
生活環境の見直しには、以下の4つが挙げられます。
・競い合う
・運動
・睡眠
・ストレスをためないようにする
男性ホルモンは、仲間と競い合うことで分泌が促進されます。
テニスやゴルフなどのスポーツや、囲碁や将棋などのゲームなどが適していると言えるでしょう。
また、大きなくくりで競い合うこととして、「自分自身を表現する」ということも挙げられます。
趣味のサークル活動に参加して作品を出品したり、カラオケなどで自慢ののどを披露するなども有効と言えます。
男性ホルモンには、筋肉に刺激を与えると分泌されるという性質があります。
特に、体の大きな筋肉を使う運動に効果が見られます。
たとえばスクワットや腕立て伏せ、階段の上り下り、他に少し息が切れるぐらいに速く歩くことも効果的です。
まとめて運動するよりも、毎日10分など継続して運動する方が効果が高いことがわかっています。
運動は、男性更年期障害だけでなく、女性の更年期障害にも有効です。
男性ホルモンの値は、朝高く、夕方下がってきます。
そして、寝ている間に分泌されて回復するという性質を持っています。
十分に睡眠がとれないと、夕方に男性ホルモンが下がったままの状態が次の日も続いてしまいます。
男性ホルモンは、脳からの指令によって精巣で作られます。
しかし、ストレスを強く感じると脳からの指令が出にくくなってしまいます。
ストレス解消法として、たとえばストレッチやカラオケ、あるいは思い切って温泉に行くなどして、ストレスをためないようにすることが大切です。
生活環境を見直すというのは、男性更年期障害を治すうえで大前提の事柄になります。
ここから、さらに症状が軽い場合と重い場合に分けて考えていきましょう。
男性更年期障害の症状が軽い場合には、「漢方薬」やその他「症状に応じた薬」によって治療をします。
漢方薬では、疲れやすい、やる気がでないなどの症状を改善するために「補中益気湯(ホチュウエッキトウ)」という薬を用います。
補中益気湯は、エネルギーや活力が枯渇した時に使われる薬です。
「症状に応じた薬」というのは、症状に合わせて薬を処方することです。
たとえばうつや不安などの症状がある時には、抗うつ薬や抗不安薬を使います。
また、男性ホルモンが低下すると骨が弱くなることから、骨粗しょう症薬も用いられることがあります。
その他、男性機能が低下している場合には、ED治療薬が用いられることもあります。
男性更年期障害の症状が重い場合には、男性ホルモン補充療法が用いられます。
この場合、テストステロン注射を2~4週に1回行ないます。
しかし、テストステロン注射を打つことによって、精巣では男性ホルモンが十分にあると勘違いしてしまい、精巣で精子を作る力が弱くなってしまうというデメリットがあります。
ですので、将来子どもを希望する場合には、hCGホルモン注射を打つことになります。この注射は毎週行ないます。
男性ホルモン補充療法の期間は、3ヶ月行なってみて効果があれば継続します。その後、約1年間が治療の目安となります。
注意点としては、前立腺がんや肝臓病がある人は受けられません。
また、副作用として血液の量が多くなる「多血症」になることがあります。
極端な場合には脳梗塞を引き起こしてしまう可能性がありますので、定期的な血液検査を受けることが大切です。
男性更年期障害についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
うつ病だと思っていたら、実は男性更年期障害だったということも考えられますので、気になる方は血液検査でテストステロンの数値を測ってみるとよいでしょう。
男性ホルモン補充療法は前立腺がんになる恐れもあると言われています。
体になるべく害のないように症状を改善したいのであれば、漢方薬と運動の組み合わせが良いようです。
]]>今、巷で話題のマインドフルネス瞑想法。
あのヤフーやグーグル、インテル、フォードなどの一流企業が、仕事の効率を上げるために採用している瞑想法です。
瞑想の起源は約4000年前。
瞑想は古代インダス文明で生まれた人類最古の健康法です。
現代の医療現場では不安症やうつ病、パニック障害などのストレス性疾患の他、認知症や慢性痛などへの対処法としても利用されています。
今回は、様々な研究により次第に明らかにされてきたマインドフルネス瞑想が、私たちの身体に及ぼす効果についてみていきましょう。
カーネギーメロン大学のデイビッド・クレスウェル准教授は、マインドフルネスを使ったある研究を行いました。
マインドフルネス未経験の35人の被験者を2つのグループに分け、3日間の合宿をさせます。
1つのグループは、ガイドとなる音声を聞きながら5分間のマインドフルネスをさせ、マインドフルネスを意識しながらの体操や散歩を行ないました。(これをAグループとします)
もう1つのグループは、マインドフルネスは行わず、リラックスした状態でただの体操や散歩を行いました。(これをBグループとします)
3日間の合宿が終わって2週間後、脳に大きな違いが現れました。
マインドフルネスを行なわなかったBグループでは、前頭葉の一部にある「dlPFC」の活動が落ちていて、脳の一部が同期して活動していました。
「dlPFC」とは、思考や認知など知的活動のまとめ役を担う部分で、大脳全体の司令塔とも言われています。
脳の一部が同期している状態というのは、何も活動していない状態の時に現れ、車のアイドリングに例えられます。
この状態を「デフォルトモードネットワーク」と言います。
この時、脳の中ではさまざまな雑念が浮かび、それがストレスを生み出しています。
一方、マインドフルネスを行ったAグループでは、デフォルトモードネットワークと一緒に、dlFPCが活動していました。
dlFPCが働くことで、デフォルトモードネットワークをうまくコントロールし、その結果、ストレスを感じにくい脳になります。
日常生活の半分ほどは、目の前のこと以外のことを考えていて、雑念に取り込まれているような状態です。
人間は一日に187,000項目を考えていると言われていて、そのほとんどが過去の後悔や将来の不安で占められています。
マインドフルネス瞑想は、私たちが雑念に飲み込まれている状態から外に出やすくしてくれます。
まずは、瞑想を通して今いろいろ考えていることに「気づく」ことが大切です。
ハーバード大学のサラ・ラザー准教授はマインドフルネスの世界的な研究者です。
彼女は、一日45分のマインドフルネスを8週間行った人の脳が、どのように変わったのかを調べました。
その結果、被験者の海馬が増え、扁桃体が減少しているのがわかりました。
海馬とは記憶や感情のコントロールに関わる部分で、ストレスを受けると減少し、うつ病などにつながる可能性が指摘されています。
研究では、この海馬の一部である灰白質が5%ほど増えていることが確認されました。
これは新しい能力を身に着ける時の脳の変化に匹敵します。
扁桃体というのは、不安や恐怖などのストレスに反応する部分です。
(参考)
>>うつ病の原因は扁桃体にあった~恐怖による暴走とストレスホルモンの関係
実験の結果、扁桃体は5%ほど減少していました。
これは、ストレスに対する過剰な反応が抑えられることを意味しています。
うつ病患者さんは、海馬の働きが落ちていて扁桃体の働きが高まっています。
マインドフルネスを行なうことで逆の作用が起こりますので、うつ病にも効果が認められています。
以前は年をとると脳細胞は増えないとされていましたが、2004年に「中高年になっても脳は使うことによって変わっていく」と報告されています。これを脳の可塑性といいます。
つまり、マインドフルネスを行うことで、高齢者でも脳の構造自体を変えることができるのです。
マインドフルネス研究の大御所と言われているリチャード・デビッドソン教授(ウィスコンシン大学)は、たった一日マインドフルネスを行なうだけで、遺伝子の活動が変化することを発見しました。
変化が現れたのは「RIPK2」という遺伝子です。
マインドフルネスをしなかった人はあまり変化がありませんでしたが、マインドフルネスを行なった人は、RIPK2の活動が劇的に下がっていました。
RIPK2は慢性の炎症にかかわっている遺伝子です。
たとえば、肥満や老化、ガンなどにかかっている状態では、弱い炎症がずっと続いています。
これが動脈硬化の原因となり、さらに病気や老化を悪化させてしまいます。
マインドフルネスを行なうことでRIPK2の活動を抑制し、老化や肥満に関わる動脈硬化などの進みが遅くなる可能性も期待されています。
マインドフルネス瞑想が私たちの身体に及ぼす影響についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
実際にマインドフルネスを行うことで、前頭葉の一部にある「dlPFC」の活動が高まり、海馬や扁桃体の体積が変化し、さらには遺伝子にまで変化が見られました。
このブログでも何度もお伝えしているように、とらえどころのない「心」を変化させようとするのは難しいため、ある程度仕組みがわかっている「体」から変化を促すことが、効果的かつ効率良く、うつ病を克服できると考えています。
そういう意味で、マインドフルネス瞑想も「体から治す」という考え方に合っている方法だと考えています。
(参考)
>>うつ病 薬を使わない治療法~「体から治す」という考え方
瞑想の正しいやり方についてはこちらの記事で詳しく書いていますので、ぜひご覧になってみてください。
>>幸せになりたい人必見!執着心を捨てるたった1つの簡単な瞑想法
当ブログ推奨教材の「プチ認知療法」でも、エクササイズの一つとして簡単に実践できる瞑想法を扱っています。
私が自腹で購入した感想などをレビュー記事で書いています。詳しくはこちらをご覧ください。
>>プチ認知療法の本音レビュー]]>田舎と都会で感じるストレスはどれぐらい違うのでしょうか?
「所さんの目がテン!」という番組で、都会と田舎のストレスの違いを比較していました。
現在の状態がストレス状態とリラックス状態のどちらにあるのかは、自律神経のバランスを計測することでわかります。
被験者には自律神経計測器をつけてもらい、計測します。
自律神経計測器は、心拍の間隔などから自律神経のバランスを読み取ります。
山形県に住む鈴木さんと東京都に住む林さんの一日に密着し、自律神経のバランスを比較します。
田舎(山形県)に住む61歳の鈴木さんは、トマトやきゅうりを栽培している農家です。
都会(東京都)に住む35歳の林さんは営業職の会社員です。
一日の生活の中で、どれだけ自律神経のバランスが乱れているのかを調べました。
鈴木さんの仕事は、毎朝5時すぎのきゅうりの収穫から始まります。
毎日決まった時間に働き始めるルーティンの仕事ですので、迷いもなく乱すものもありません。
そのため、仕事中でも常に自律神経は安定していました。
きゅうりの収穫が終わって、朝ご飯の時間も自律神経は安定しています。
その後、水やりや出荷、種まきなどを行いますが、これらもルーティンワーク(決まった仕事)ですので、作業中の自律神経は安定しています。
仕事が終わる午後6時ごろ、直売所からの売り上げのメールを受け取った瞬間、鈴木さんの交感神経が跳ね上がり緊張状態になりました。
この日に納品したきゅうりが売れ残ってしまったからです。
しかし、家で晩酌のお酒を一杯飲んだだけで、自律神経は元通りにバランスを取り戻しました。
自律神経が何かの出来事で変動しても、すぐに元通りになる人は、普段から自律神経のバランスが安定している人だそうです。
鈴木さんは、自律神経が安定した状態のまま一日を終え、床に就きました。
東京都に住む林さんは、朝起きると3人の子どもたちと一緒に朝ご飯を食べます。
朝ご飯を食べている間は自律神経が安定していましたが、食後にメールチェックをした途端、交感神経が優位になり、緊張状態に入りました。
携帯電話やパソコンをいじることは、姿勢も悪くなりますし、画面の光を浴びることで自律神経の乱れにつながりやすくなります。
出勤中は満員電車に20分乗車します。
サラリーマンが最も自律神経が乱れるのが満員電車です。
満員電車は人がたくさんいて車内は狭く、閉塞感があります。すると、どうしても交感神経が優位になってしまいます。
林さんの今日の仕事は、展示会での商品説明です。バイヤーへ製品のプレゼンをしている間、交感神経優位の緊張状態が続いていました。
商品のプレゼンなど、見知らぬ人の前で話すことは自律神経の乱れにつながります。
仕事の合間、混んでいる店で昼食をとりました。店が混んでいたからなのか、休息時間にも関わらず、自律神経は緊張状態のままでした。
その後、会社関係の2時間のセミナーに出席しますが、この間もずっと緊張状態が続きます。
仕事が終わって、会社の後輩と夕食です。お酒が入ってやっとリラックスできるかと思いきや、食事中も交感神経優位の緊張状態が続いていました。
仕事の話や後輩に気を使ったことで交感神経が優位になっていたのでしょう。
帰宅は夜9時。奥さんと話を始めることで、ようやく自律神経が安定し始めました。
ところが、お風呂から上がりスマホを見始めると、また交感神経が優位になってしまいました。
そして、交感神経が優位のまま眠りにつきました。
林さんのように、興奮した状態のまま眠りにつくと、質の良い睡眠は得られません。
林さんは、一日のほとんどを交感神経優位の緊張状態で過ごしていました。
交感神経優位の状態が続くと、血流が悪くなりますので、そのダメージが大きくなると大病にもつながってしまいます。
(関連記事)
>>ストレスが身体に及ぼす影響
>>ストレスが「突然死」や「癌」の原因に?!
体験談にも詳しく書いていますが、私も1ヶ月ほど長野県で農業のアルバイトをしたことがあります。
住み込みで働いたのですが、山の中にある農家でしたので、周りには本当に何もなく、見渡しても山と畑ぐらいしか見えませんでした。
刺激を受けるものが何もないので、ストレスを感じることが全くなく、毎朝早く起きて規則正しい生活をし、農作業という運動をして体を動かしているため、体調も精神状態もとても良くなりました。
また、農業は基本的に決まりきったルーティンワークですので、考える必要もあまりなく、「今やっていること」に集中でき、雑念も湧いてきません。
これは、巷で流行中のマインドフルネス(瞑想)にも通じるものがあります。
農作業は、うつ病の人にとって、良い方向に作用するのではないかと実感しています。
しかし、田舎に行けばストレスが減るかというと、必ずしもそうとは言えないと思います。
これも体験談に書いていますが、私は北海道のおみやげ屋さんで半年ほどアルバイトをした経験があります。
周囲の景色などはきれいで、その点は非常に精神状態に良い影響を与えたと思います。
しかし、接客業だったので初めて会うお客さんと毎日接しなければいけませんし、売り上げを上げるように店長からのプレッシャーもありました。
また、狭い集落なので、町の人たちとの距離感も近く、私の場合はそれ程人間関係には悩みませんでしたが、人付き合いに苦労しているアルバイトの人もいました。
全般的に、都会の方が田舎よりもストレスを感じることは多いでしょうが、仕事内容によってストレスの感じ方もまた変わってくるでしょう。
こんな話を聞いたことがあります。
ある会社員Aさんは、毎朝小田急線の満員電車に乗って通勤していました。
Aさんは満員電車が嫌で嫌で仕方ありませんでした。毎朝憂うつな気持ちで満員電車に乗り、強いストレスを感じていました。
ある日、知人から株式投資を勧められ、毎日通勤電車に使っている小田急電鉄の株を買うことにしました。
すると、不思議なことに毎日の満員電車が苦にならなくなりました。
何故かと言うと、小田急線が混雑しているということは、小田急電鉄が繁盛しているとも考えられます。
Aさんの頭の中では、「小田急線が混雑する」=「小田急線が繁盛している」=「小田急電鉄の株が上昇する」という図式が思い浮かんでいたのでしょう。
それからは、満員電車を嫌がるどころか、むしろ歓迎するようになったという話でした。
この場合に注目すべきことは、状況は何も変わっていないということです。
満員電車を苦痛に感じていた時も、歓迎するようになった時も、どちらも満員電車で通勤するという事実には変わりません。
Aさんの満員電車に対する「物事の捉え方」が変わっただけです。
田舎に住んだ方が相対的にストレスが少なくなるからといって、現実的には今の生活をすべて投げ出して、すぐに田舎に住めるものでもありません。
ではどうすればいいかというと、小田急線の話のように、物事の捉え方や考え方を変えることで、ストレスを感じにくくすることはできるはずです。
物理的にストレスを減らせない状況であっても、考え方を変えることでストレスを減らすことはできます。
当ブログでは、考え方や物事の捉え方を変えるために「自己メンタルセラピー講座」と「プチ認知療法」をお勧めしています。
両者の詳しい違いについては、こちらの記事をご覧ください。
>>プチ認知療法 vs 自己メンタルセラピー講座 どっちがいいの?
考え方や物事の捉え方を変えるのは、やや難易度が高いですが、もっと簡単にストレスを感じにくくするには、身体の中からストレスを感じにくい体質へと体質改善することです。
ストレスを感じにくい身体作りには、荒木式食事療法をお勧めしています。
>>荒木式うつ病改善プログラムの口コミと実践結果
心を変えるには、まず身体から変えて行く方が、効率が良く簡単です。なぜ体から変える方が効率が良いのか、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
>>うつ病 薬を使わない治療法~「体から治す」という考え方
今回は、発達障害の人が就職してどんなことにつまづいているのか、そして、それをどう乗り越えればいいのか、についてお伝えしていきます。
「発達障害のために仕事が続かない」とお悩みの人たちには、参考になる内容だと思います。
※発達障害の方の2次障害として、うつ病が深刻な問題になっています。そのため、当ブログでも発達障害について取り扱っております。
ひと口に発達障害と言っても、様々な種類があります。
たとえば、不注意でのミスが多かったり、じっとしていることが苦手な「注意欠陥多動性障害(ADHD)」。
こだわりが強く人との関わりが苦手な「自閉症スペクトラム障害」。
読み書き計算など特定のことだけが極端に困難な「学習障害(LD)」などがあります。
ADHDや自閉症スペクトラム、LDでも、症状が強く出る部分には個人差がありますし、いくつかの障害を併せ持っている人も多くいらっしゃいます。
このように、発達障害と一口に言っても表に現れる症状は千差万別ですので、仕事で何ができて何ができないのか、周りの人も予測しにくい面があります。
発達障害の人が、自分でも何ができて何ができないのか分かっていたら、周囲の人に伝えられるのですが、大半の人は分かっていないため、コミュニケーションにズレが生じてしまうのです。
また、発達障害は見た目ではわかりにくいという特徴もあり、なおさら理解されにくいという問題もあります。
以上のように、
・発達障害は見た目ではわかりにくい
・周囲の人も何ができて何ができないのか予測がつかない
・発達障害の人も自分がつまづくポイントがわかっていない
などの理由により、周囲の人とのコミュニケーションにズレが生まれ、仕事ができないと思われてしまったり、仕事が続かない状況に陥ってしまうのです。
東京都千代田区にある就労移行支援事務所「Kaien」では、実践的な仕事の訓練を行うことで、発達障害の人が仕事上のどんな所でつまづくのかに気付かせてくれます。
Kaienでは、実践的な仕事の訓練として、実際に受講生がオンラインショップの運営から販売までを行ないます。
講師が管理職として現場でサポートしており、実際の職場に近い環境が作られています。
ある受講者さんは、3つの作業が重なってどれから先に手をつければ良いのかわからなくなってしまいました。
上司役の講師に相談すると、まず一番に優先すべきことはどれで、なぜそれを優先させるべきなのかをわかりやすく説明してくれます。
受講者さんは、自分が優先順位をつけることが苦手だと認識でき、困った時は上司に相談する大切さも理解でき、どのように解決すれば良いのかもわかるようになります。
別の受講者さんは、注文ごとに送るべきメールを、自分の思い込みから、一通にまとめてお客さんに送ってしまいましたが、ミスをすぐ上司に相談したので大事には至りませんでした。
この受講者さんは、前職では上司に報告すると嫌な顔をされるので、報告せずに自分の判断で行動することが多くなっていました。
しかし、Kaienでの実践的な訓練を通して、それは自分の勝手な思い込みだったと気づきました。
以前は周りの人からの自分の評価が下がるのを恐れて、自分で抱え込むことが多かったそうです。
しかし、それでは却って事態を深刻化させてしまい、結果的に困ることになると理解でき、きちんと報告できるようになりました。
報告の大切さは、Kaienのスタッフや講師から何度も繰り返し教えられたそうです。
Kaienの実践的な訓練を経て自信をつけた受講者たちは、半年以内に就職活動を始められているケースが多いとのことでした。
同じくKaienで4月から訓練を受けてきた関口麻紀さん。
彼女は昨年ADHDとの診断を受けました。
以前は障害の自覚がなく、仕事上のトラブルも多かったのですが、訓練を経て自信がつき、障害のことを企業にきちんと伝えて就職活動に挑みたいと考えています。
自分の良いところも悪い所も全てストレートに伝えて、それを受け入れてくれる会社なら長く勤められるだろうし、そういう会社に行きたいと思っているからです。
7月には合同の就職面接会を受けに行きました。
関口さんの第一志望は商社の事務です。
ある商社の面接では、まず自分の得意な仕事や作業内容をしっかり伝えました。
そして、関口さんは仕事に優先順位をつけるのが苦手だったため、それもしっかり伝えました。
しかし、苦手なことを伝えるだけではなく、「メモにまとめて優先順位をつけて並べ直す時間を10分ほどいただければ大丈夫です」と自分なりの解決方法までしっかりと提示できていました。
さらに、「自分で考えても優先順位の区別がつかない場合には、上司の方にどれを優先すべきか確認させていただけるとありがたいです」と、優先順位が判断できない場合の解決方法まで提示していました。
ただ単に苦手なことを伝えるだけでなく、それに対してどう対処するのか、対処しきれない場合にはどうするのか、一歩先まで想像力を働かせて先方にアピールできていました。
たしかに優先順位がつけられないことはマイナス面かもしれませんが、このように一歩先まで想像力を働かせて先方にアピールできていたので、担当者はむしろプラスに評価したのではないでしょうか。
一般の方の面接でも、このような受け答えができる人は少ないと思います。
実際に関口さんは、二次面接まで突破して、現在は三次面接の日程調整中だそうです。
合格されるといいですね。
神戸市の「I.S.コンサルティング」は、自動車教習所の紹介などを行なっている会社です。
社員20人のうち4人が発達障害の人たちです。
この会社では、発達障害の人たちがやりがいを持って自分の仕事に取り組んでいました。
発達障害の人たちが、やりがいを持って活躍できている秘密とは何なのでしょうか?
それは、毎月社員全員に行なう個人面談にありました。
年に1~2回であれば、個人面談を行なっている会社も多いでしょうが、毎月となるとかなり少ないと思います。
その個人面談によって、一人ひとりの特性を把握し、対応を話し合っています。
面談で得た情報をもとに、社員にどんな業務を任せるかを毎月見直しているそうです。
入社4年目の吉宗紋さんは自閉症スペクトラム障害です。
彼女は口頭でのコミュニケーションが苦手です。
面談でそのことを知った上司は、吉宗さんに以下のような指示を出しました。
1. 電話はとらなくても良い
2. 手順が決まっていて一人で完結できる仕事を任せる
まずはこの条件で仕事をこなすうちに、仕事にも慣れてきて自信がつきました。
そして今では大切な書類の送付など、責任ある仕事も任されるようになりました。
さらに、ある月の面談では、吉宗さん自身から「もっとできることを増やしていきたい」という要望が出てきました。
それを聞いた上司は、次のような指示を出しました。
1. FAXの送信を任せる
2. FAXが届いたかどうか確認の電話をかける
2の「確認の電話をかける」ことで、短い会話の経験を積ませ、それがまた新しい自信につながりました。
今では、かかってきた電話を担当者につなぐ業務まで、こなせるようになっています。
実は、ここにもまた上司の配慮がなされています。
電話を受けるといっても、全ての電話を受けるのは吉宗さんにとってハードルが高すぎます。
なので、「代表」にかかってきた電話だけを取るように指示しました。
「代表」にかかってくる電話は、取引先の企業だけなので想定外の質問が少ないのです。
取り次ぎに集中できるので、吉宗さんも安心して対応することができたのです。
この会社では、段階的にできることを増やしていくことで自信をつけさせ、さらに新しいできることを増やそうという意欲を芽生えさせてくれています。
なかなかこのような対応をしてくれる会社は今のところは少ないかもしれませんが、こういう会社の対応が当たり前の社会になると良いですね。
もし、会社でそのような対応をしてくれなかったとしても、自分で少しずつできることを増やしていくことは可能だと思います。
一度に難しいことにチャレンジしようとするのではなく、ハードルを低くして、段階を踏んでできることを増やしていってください。
そうすることで仕事への自信がつき、仕事に対するやりがいも生まれてくると思います。
今回は「発達障害の就労」について、対処法をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
対処法では対応しきれないような、発達障害に付随する様々な問題でも、原因を特定して正しい方法を用いれば改善することはできます。
アレルギー体質、免疫系が弱い、精神的な不安定さ、周囲との違和感、漠然とした不安感、空気を読むのが苦手、職場での孤立、共感性の欠如、過去のことが頭から離れないトラウマ体質、etc…。
発達障害の人たちが多く持つ、これらの問題点を根本から解決されたい方は、当ブログ推奨教材「アスペルガーADHD発達障害改善マニュアル」のご一読をお勧めいたします。
]]>最後は番外編ということで、野沢温泉で一番特徴的と言える「外湯めぐり」についてご紹介したいと思います。
今までの記事はこちらからご覧ください。
>>野沢温泉3泊4日のひとり旅①
>>野沢温泉3泊4日のひとり旅②~毛無山プチ登山
>>野沢温泉3泊4日のひとり旅③~熊のツメあとって…
>>野沢温泉3泊4日のひとり旅④~スタカ湖キャンプ場へ行ってみる
野沢温泉の外湯とは、江戸時代から湯仲間という制度によって守られてきた村民の共有財産のお風呂のことです。
野沢温泉には13の外湯があり、100%かけ流しの弱アルカリ性天然温泉です。
地元の人も日常的に使用しており、観光客と地元の人が交流を図れる場にもなっています。
早朝5時(12~3月は6時)~23時まで使用できます。料金は入口の賽銭箱に気持ち程度を入れるようです。
特徴的なのは、脱衣所が浴室と一体化していたり、洗い場が狭いので地べたに座って浴槽から直にお湯を汲んで体を洗っている人が多いことでしょうか。
私が実際に入った外湯についてご紹介します。
野沢温泉に到着した1日目は「十王堂(じゅうおうどう)の湯」という外湯へ行きました。
事前情報によると、温泉街の中心である「大湯」周辺は混んでいることが多いようなので、少しだけ中心から外れた十王堂の湯に行くことにしました。
十王堂の湯は、脱衣所と浴室の仕切りがなく一体化しています。
こういった作りは初めて見たので珍しかったです。
浴室は比較的広く、やや空いていたので初めて訪れた外湯としては正解でした。
脱衣所の近くで体を洗っている観光客の人が、地元の人に「水が跳ねるからここで洗っちゃダメだよ」と注意されていました。
都会ではこういった注意を言える人も減ってきましたが、こういったことを言えるご老人はやはり必要だなと感じます。
注意されることに対して「余計なお世話だ」と嫌う人も多いかもしれません。
しかし、無関心が行き過ぎて人対人の交流が減ってしまうことが、都会のうつの増加にもつながっていると感じます。
(関連記事)>>ストレスと環境の変化の関係~ライフイベントストレスチェック表
2日目は、まず野沢温泉外湯のシンボル的存在「大湯(おおゆ)」に行きました。
「一つしか外湯に行けないとしたら、とりあえずここには行っておけ」と言われている代表的な外湯なので、とりあえず抑えておきました。
ここも脱衣所が浴室と一体化しているタイプです。浴室、洗い場ともに広めです。人気の外湯なのでさすがに混んでいました。
浴槽は「あつ湯」と「ぬる湯」の2つに分かれています。
外湯のお湯はどこも熱いので、熱いのが苦手な人は「ぬる湯」がある所に行くと良いでしょう。
「大湯」で体を洗って、次は「麻釜(あさがま)の湯」へ向かいます。
麻釜の湯の印象は、正直最悪でした。
若い男性のグループが大騒ぎをしながら浴室を独占していたからです。
湯船の中には、じゃんじゃん水を流し入れて、温泉の良さを感じられない程ぬるくなっていました。
他の観光客や地元の人たちも、彼らの姿を見てすぐに出ていく人が続出していました。
私はせっかくなので湯船に少しだけ入ったものの、すぐに出ることにしました。
みなさんも他人と共同で何かを使うときには、人様に迷惑をかけずに、エチケットを守りましょうね。
「麻釜の湯」では後味の悪い思いをしてしまったので、もう一軒「新田(しんでん)の湯」に行って気分を直そうと思いました。
「大湯」、「麻釜の湯」と、どちらも混んでいたので、昨日の「十王堂の湯」よりも離れた所にある「新田の湯」なら空いているだろうと思い、行ってみました。
「新田の湯」はそんなに広いわけではありませんでしたが、比較的空いており、選んで正解でした。
脱衣所はガラス戸で完全に仕切られているタイプの外湯です。
3日目(8月14日)は朝からスマップの解散報道で持ち切りでした。
しかし、ジャニーズ事務所のスマップに対する扱いはひどいものですね。ここまでブラック企業だったのかと驚きました。
伝え聞こえてくる限りでのメリー喜多川さんの老害ぶりは酷いものだと感じます。
一族経営の企業ではよくあることなのでしょうが、ちょっと勘違いがはなはだしいのではないでしょうか。
もう89歳なのですから、メリーさんは早く引退して次の世代に任せた方が良いでしょう。(引退しても次のジュリーさんもなんだかなぁという感じみたいですが。)
こんな状況では、噂されているように香取慎吾さんが精神的に追い詰められるのもわかるような気がします。
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まぁ、どちらにしろ私では真相を知りようがないので、無責任な感想はこの辺までにしておきます。
さてこの日の夕方、山から帰ってきて「中尾の湯」へ行きました。
ここは13ヶ所ある外湯の中でも、一番大きな木造湯屋建築だそうです。
浴槽は「あつ湯」と「ぬる湯」に分かれており、脱衣所はきちんと扉で仕切られてはいませんが、ちょっとした壁で仕切られている半一体型です。
洗い場の数も多く、かつ広めにスペースが確保されており、とても快適に使用できました。
温泉の中心地から一番離れている外湯なので少し遠いですが、行く価値は十分にあると感じました。
十三ヶ所もあるので、外湯全部に入ったわけではありませんが、今回入った外湯の中ではNo.1でした。特にオススメです!
外湯に入れるのもこの日が最後でしたので、もう一軒だけ帰り道にある「横落(よこち)の湯」に立ち寄ってみました。
ここは脱衣所は完全にガラスの扉で仕切られています。浴槽は狭かったです。
ただ、入ったタイミングが良かったようで、私以外誰も入っていない時間が少しあり、その間5分程度は貸し切り状態で楽しめました。
最後にいい思いができた穴場の外湯です。
今回外湯めぐりをしてみて感じた注意点や抑えるべきポイントをまとめてみました。
文中でも何度か書きましたが、野沢温泉の中心地である「大湯」付近から遠くに行けば行くほど空いている傾向があると思います。
基本的に野沢温泉中心地周辺の外湯はだいたい混んでいます。
ただでさえそんなに大きい造りでもないので、混んでいるとゆっくり温泉を楽しむことができません。
ですので、私の中では「空いているかどうか」は、温泉を楽しむ上で非常に重要なポイントです。
今回行った中では中尾の湯が一番空いていて、なおかつ広くて浴槽も二つに分かれていたりと満足度ではNo.1でした。
他にも「秋葉の湯」や「滝の湯」なども中心地から遠いので、空いていてゆったりと入れるかもしれません。(この2つは実際に入っていないのでわかりませんが)
外湯は無人ですし、貴重品を入れる鍵付きのロッカーなどもありません。
基本的にむきだしのかごの中に荷物を入れるので、盗まれたら困る貴重品は持ち歩かない方が良いでしょう。
実際に盗難が発生している外湯も多いようで、盗難注意の張り紙を何度か見かけました。
私は基本、宿に貴重品を置いて、貴重品は小銭とロックをかけたスマホだけ持ち歩いていました。
盗難にはくれぐれも気を付けましょう。
野沢温泉には、全26ヶ所の名所・旧跡でスタンプを押すことができ、10個以上ためると記念品として岡本太郎さんデザインのロゴがあしらわれた「湯タオル」がもらえます。
また、20個以上ためると「外湯巡り手ぬぐい」か「湯タオル」のどちらかをもらえます。
集印張は観光案内所やお土産やさんで500円ぐらいで売っています。
13ヶ所の外湯にも全てスタンプが置いてあります。
私はスタンプがあるのは知っていたのですが、記念品がもらえることは、この記事を書いている時に調べて初めて知りました。
特にメリットがないと思っていたので、スタンプ集めはしていませんでした。
野沢温泉には「湯」というロゴマークがあり、それがめちゃめちゃかっこいいデザインなので、このロゴがプリントされたTシャツを欲しかったのですが、気に入ったものがなく買えませんでした。
このロゴが入った「湯タオル」がもらえるなら、集印帳を買ってスタンプを集めれば良かったなと今更ながら後悔しています。
岡本太郎さんデザインの「湯」というロゴがめちゃめちゃかっこいいのでオススメです。
今回、突然思い立って野沢温泉にひとり旅に出かけました。
山登りをしたり湖を見たり、温泉に入ったりと、毎日好きな事をして過ごしていました。
好きなことをしている時というのは、そのことに没頭しています。
没頭している時というのは、今やっていることだけを考えているので、基本的に病気などの心配事は頭から離れているものです。
たとえば、あなたが「ひどい咳が出る」という状態で苦しんでいたとしましょう。
あまりにも重病なら別でしょうが、ひどい咳が出ていても、大抵の場合寝ている時には咳も治まっていると思います。
没頭している時というのは、私の中では寝ている時と同じような状態と捉えています。
没頭している時も寝ている時も、調子の悪い状態に目を向けていないので、症状が現れにくいと感じています。
うつ病も同じく、何か別のものに意識を集中できていれば、その時には症状が消えていることもあるのではないでしょうか。あなたも経験ありませんか?
だから、好きなことに没頭するというのは、症状が気にならなくなる「一つの手段」だと思っています。(これが全てではありません。あくまでも「一つの手段」です)
なかなか思うようにはできないかもしれませんが、そういうことがあると認識しているだけでもまた違うと思います。
この話を少し前に個別に読者さんに話したところ、残念ながら「うつ病なんていう病気はない」という意味に誤解されて受け止められてしまいました。
「うつ病なんていう病気はない」と言っているわけでは決してありません。(私自身うつ病で苦しんだ経験がありますので)
よくわからなければ、とりあえず今はスルーしておいてください。
私の文章の拙さのせいもあるかもしれませんが、しばらくしたら「やじろべぇが言っていたことはこういうことだったのかもしれないな…」と感じることもあるかもしれません。
それでは、全5回の野沢温泉ひとり旅篇をお読みいただきましてありがとうございました。
うつ病とまではいかないけれど、考え方を変えてもう少しラクになりたい、という人はこちらの教材がオススメです。
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3日目までの記事はこちらから
>>野沢温泉3泊4日のひとり旅①
>>野沢温泉3泊4日のひとり旅②~毛無山プチ登山
>>野沢温泉3泊4日のひとり旅③~熊のツメあとって…
明日は10時チェックアウトですので、野沢温泉を満喫できるのは、実質今日までです。
今日も昨日と同じく、長坂ゴンドラに乗って山の上の「やまびこ駅」へ向かいます。
もちろん、昨日見つけた湧き水もしっかり確保してから山へ向かいました。
今日は、前日から「スタカ(巣鷹)湖コース」を歩くことに決めていました。
スタカ湖のそばにキャンプ場が併設されているそうで、私は湖のあるキャンプ場の雰囲気が好きなので、どうしても行ってみたくなったのです。
途中までは、昨日と同じく花畑コースを歩き、白樺コースの出口と合流したあたりで、スタカ湖コースへ入っていきます。
スタカ湖コースの道自体はなだらかで、白樺コースに比べたらラクですが、距離が長めなのでご高齢の方にはちょっと大変かもしれません。
ちなみに、スタカ湖コースは全長3.8km、高低差200mです。上ノ平高原のウォーキングコースの中では、最も距離の長いコースです。
案の定、スタカ湖コースを歩いている間中、誰ともすれ違いませんでした。
湖やキャンプ場へは皆さん車で行かれるでしょうし、わざわざ森の中の道を歩いて行こうと思う私のような物好きは珍しいのでしょう。
でも私はこんな道こそが好きなのですから仕方ありません。
スタカ湖へ到着。
想像していたより小さめの湖でしたが、キャンプ場もあって私好みの雰囲気を醸し出しています。
キャンプ場のトイレに入ってみると、便座が暖かかったので驚きました。
私の学生時代は汲み取り式の和式便座がほとんどだったのに、時代は変わったなぁ…。
スタカ湖の周囲には遊歩道があり、歩いて一周できます。
炊事場を見ると、学生時代を思い出し無性にキャンプしたくなってきました。
「うぉ~!キャンプしてぇ!!」(心の声)
さて、一通り湖とキャンプ場を堪能したら、ウォーキングの続きです。
駐車場の裏手にウォーキングコースへの入口がありました。
再び森の中へ入ります。
560mほど歩くとスタカ湖コースは終わり、続いて高原コースへ移行します。
さすがにこの辺は雪がたくさん積もるからなのでしょうか、トイレの入り口がとても高い所にあります。
途中、マウンテンバイクのコースも見かけました。
緑色の矢印が初心者向け、青色の矢印が中級者向けのコースです。
さぁ、いよいよゴールまであと1.2kmです。
ここからは高原コースの中のブナ林エリアに入ります。
(前日もブナ林エリアを歩きましたが、途中からの合流だったので、この辺は歩いていません。)
ブナ林エリアスタートです。
しばらく行くと、また例のものが見えてきました…。
初めて見た時は少々焦りましたが、こう何度も出てくると慣れてくるものですね。
2、3回叩いて進みます。
おや、これは昨日見たブナですね。
昨日歩いた地点に合流したようです。
しばらく歩くとブナ林エリア出口です。
お疲れ様でした。
昨日と今日、いくつかウォーキングコースを散策した中で、お気に入りのコースを順位づけしてみました。
最もインパクトがあったコースです。何気なく入った道に「熊のツメあと」があったらちょっと怖いですよね…。周りには誰もいないし、白樺コース出口まで気の抜けない緊張感漂う時間を過ごせました。
久しぶりにキャンプ場を見て、無性にキャンプをしたくなってしまいました。湖も良い雰囲気でした。
スタカ湖コースを歩いている時、「あぁ、俺は本当に自然が好きなんだなぁ…」としみじみと感じられました。
一番しんどいコースでしたが、余計なことを考えずに一歩一歩登ることだけを考えている時間は、個人的にはかえってストレスフリーでとても爽快でした。
ストレス解消の有効な方法の一つに「没頭すること」があります。
最近はやりのマインドフルネス(瞑想)も、結局は過去や未来のことを考えずに、「今に集中すること」を目的としています。
何かに「没頭している状態」と瞑想状態は共通点が多いのではないでしょうか。
(関連記事)
>>幸せになりたい人必見!執着心を捨てるたった1つの簡単な瞑想法
>>ストレス解消法には、カレーと読書が効果的!?
思ったより時間がかかってしまったので、そろそろ下山しなければなりません。
これが最後のゴンドラかと思うと感慨深いものがありますね。
ゴンドラからの最後の景色を堪能しつつふもとへ降りていきました。
次回は、番外編として野沢温泉名物の「外湯」についてご紹介します。
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(前回までの記事)
>>野沢温泉3泊4日のひとり旅①
>>野沢温泉3泊4日のひとり旅②~毛無山プチ登山
毛無山山頂までプチ登山をして、やまびこ駅まで戻ってきた管理人やじろべぇ。
ふもとに降りるにはまだ時間があったので、「ちょっと軽めのコースを散歩しよう」と思い、一番ラクそうな「花畑コース」を歩くことにしました。
「花畑コース」は全長1.7km、高低差100mほどで、軽い散策にはもってこいのコースです。
ご高齢の方も何人か歩いていらっしゃいました。
きれいなお花がたくさん咲いています。
「なんかいいなぁ~」と思いながら進んでいきました。
すると、途中に「白樺コース」へと分岐する道がありました。
「花畑コース」だけではちょっと物足りなく感じていた私は、好奇心にまかせて「白樺コース」へ踏み込むことにしました。
「ちょっと遠回りする程度だろう」と軽く考えていましたが、白樺コースは花畑コースとはうって変わって、森の中を歩いている感満載でした。
「思ったよりすごい所に入ってきちゃったなぁ…」
と思いながら進んでいくと、なにやら気になる文字が目に入りました。
「熊のツメあと」と書いてあります。
たしかに表示板の下を見ると、熊のツメあとらしき引っかき傷が見られます。
この時期に熊が出てくるのかはよくわかりませんが、どうやらこの辺には熊が出没してもおかしくない所のようです。
「白樺コース」に入ってからは、誰ともすれ違うことがなくなりました。
少し歩くとまた不吉なものが…。
「くまよけ」と書いてあります。
木槌で木の板をコンコン叩くようです。気休めにでもなればと、2、3回叩いてまた進んでいきます。
なかなか出口に行きあたらないので「道を間違えたのかなぁ…」と、かなり不安になりながら進んでいくと…
ようやく出口にたどり着きました。
あとで調べてみると、白樺コース自体は630mと短めなのですが、初めての道だということと、意外と道が険しかったのとで、かなり長い時間歩いているように感じました。
白樺コースを出ると、また花畑コースに合流します。
ようやく熊の恐怖から逃れられ、ホッとしました。
花畑コースの後半は、ブナ林エリアになります。
大きなコブのあるブナの原生林はかなりの迫力があります。
ブナを見ながら進んでいくと、また例の不吉なモノが視界に入ってきました…。
このあたりは、何人かの人たちとすれちがっているので、白樺コースよりは安全だと思いますが、熊が出る可能性はあるということなんでしょうね。
2、3回叩いて進みます。
白樺コースを経験していたので、あとはそれほどキツく感じる所もなく、やまびこ駅まで戻ってこられました。
やまびこ駅のハンモックで一休みしていると、手にトンボがとまりました。
なんだか自然と一体化しているような気持ちになり、少し癒されました。
やまびこ駅からは、マウンテンバイクで下っていくコースも用意されています。
ふもとのゴンドラ乗り場近くにあるお店でマウンテンバイクのレンタルができ、ゴンドラにマウンテンバイクを載せて上り、やまびこ駅から下るという感じです。
マウンテンバイクのコースは、上級・中級・初級に分かれていて、初心者の人でも大丈夫みたいです。
マウンテンバイクのレンタル料は、3000円・5000円・7000円と、バイクのグレードによって料金が異なります。
初心者の人なら3000円のバイクで十分だと思います。
さて、そろそろ4時なので下山することにします。
ゴンドラで長坂駅まで下り、宿まで歩いて戻る途中に何やら数人の人だかりが…。
近づいてみると、そこには山からの湧き水が流れ出していました。「六軒清水」という名称のようです。
ペットボトルをたくさん原付バイクに積んで、湧き水を汲んでいる地元の人もいましたので、きっとおいしいのでしょう。
私も水筒に湧き水を組んで飲んでみると、冷たくてとてもおいしい。
水筒に満タンに入れて宿に持ち帰りました。
次の日は、マウンテンバイクに乗ってみようか非常に迷ったのですが、自転車で山を下るのは何度も経験していますので、今回はやめておきました。
それよりも、山の上に巣鷹湖という湖とキャンプ場があるそうで、そこまで歩いて行ってみることにしました。
次の日もまた、ゴンドラに乗ってやまびこ駅を起点に動くことになります。
続きはコチラ。
>>野沢温泉3泊4日のひとり旅④~スタカ湖キャンプ場へ行ってみる
(前回の記事)
>>野沢温泉3泊4日のひとり旅①
一人旅への欲求が抑えられなくなり、お盆休みに急きょ野沢温泉に出かけた管理人やじろべぇ。
2日目は森林浴トレッキングを体験しようと、長坂ゴンドラに乗って山へ向かうことにしました。
山のふもとにある長坂ゴンドラの出発点「長坂駅」までは、私が泊まっている宿からは上り坂を歩いて15~20分ぐらいで着きました。
野沢温泉は冬にはスキー場として繁盛しているようです。
私は野沢温泉には初めて来たのですが、家族で毎年冬に行っているスキー場よりもはるかに規模が大きいように感じました。
切符売り場でゴンドラ搭乗券(大人1200円)を買い、ゴンドラへと乗り込みます。往復券なので、帰りまでなくさないように注意。
ゴンドラは一人で貸し切り状態で乗せてもらえました。
約15分間、一人で山の景色を楽しみながら、終着点の「やまびこ駅」へ向かいます。
↑ゴンドラからの風景
ちょっと注意点なのですが、このブログを読んでいる人の中にはパニック障害の人もいると思います。
パニック発作の心配がある人は、このゴンドラに一人で乗るのは危険だと感じました。
私は昔、電車などの密閉空間に閉じ込められると、「次の駅まで降りられない緊張感」をすごく感じて、「今何かあったらどうしよう…」という不安や恐怖に悩まされていた時期がありました。
そういう時は、気分が悪くなってその場にうずくまってしまったり、各駅停車の電車に乗って、途中の駅で何度も乗り降りを繰り返しながら目的地まで行っていたものです。
今はもう大丈夫ですが、15分間空中に浮いた不安定な状態で密閉空間に閉じ込められてしまうと、一人っきりで気分が悪くなったらどうにもならないだろうなと感じました。
ゴンドラで上って行く途中、ちょうど真ん中あたりに途中駅の「湯の峰駅」があります。
ここはあくまでも中継地点というだけで降りる人はいませんでしたが、万が一気分が悪くなってしまったらここで一端休憩させてもらうと良いでしょう。
さて、やまびこ駅に着きました。
ここは標高1400mです。涼しくて快適です。
ゴンドラの降り口には、虫よけスプレーが置いてあります。森林浴トレッキングに行く人は、使っておくことをオススメします。けっこう虫がいますので。
駅から外に出てみるとハンモックが3つほど吊るしてあったので、ちょっと寝転んでみました。そのまま寝てしまいそうなぐらい気持ちよかったです。
森林浴トレッキングのコースはいくつかあるようなのですが、まずは一番簡単にたどり着けそうな小毛無山の展望台を目指すことにしました。
ゲレンデの横に展望台への道しるべがあります。
標高差は50mで、距離自体も450mとそんなにないので、小毛無山展望台までは体力のない人でも比較的楽に行けると思います。
↑小毛無山までの道
↑小毛無山展望台
↓小毛無山展望台からの景色です。見晴らしが良くて気持ち良かったです。
↑さらに上っていくと毛無山山頂です。
せっかくなので、毛無山山頂まで行ってみることにしました。
小毛無山展望台から毛無山山頂までは、標高差200m、距離1.4kmです。
軽い気持ちで向かったのはいいのですが、これが思ったよりもキツい…。
久しぶりの山歩きだったので、ちょっとナメてました。
かなりの急坂をダラダラ汗を流しながら、少しずつ登っていきます。
余談ですが、このようにキツい坂道を上っていると、いま現在のことしか考えられないようになります。
余計なことは一切考えられなくなり、瞑想などでよく言われる「今ここ」のことしか考えられなくなりますので、常にこういう状態が保てればストレスは激減するのかもしれませんね。
趣味などに没頭することも、これに通じます。
(関連記事)
>>幸せになりたい人必見!執着心を捨てるたった1つの簡単な瞑想法
>>ストレス解消法には、カレーと読書が効果的!?
途中、家族で登っている人たちとすれ違う時に、「こんにちは」と挨拶を交わし合うことで、少し疲れも癒されました。
初めての人は驚いてしまうかもしれませんが、登山客同士は、このように挨拶を交わし合うのが当たり前なのです。
可能であれば自分から声をかけると、さらに気分が良くなると思います。
小学校低学年の女の子と小学校高学年ぐらいの男の子を連れたご夫婦とすれ違ったのですが、女の子は途中で登れなくなってしまったようで、お母さんと下山していきました。
小学校低学年ぐらいだとちょっとキツい道のりかもしれません。ご参考まで。
何やらリフト乗り場が見えてきました。あそこが山頂なのでしょうか。
まだでした。
でもあと540mだからもう少しですね。
「山頂まで540m」の道標からは比較的すぐに山頂に着きました。
山頂には電波塔らしき建物がありました。
今登ってきた道の反対側には「赤滝登山道入口」と書かれている道しるべがありました。
滝は見てみたかったのですが、そちらへ行くと山の反対側へ行ってしまうようなので、とりあえずやめておきました。やめる勇気も必要ですよね。(言い訳?)
一応、山頂まで来ましたので、やまびこ駅まで戻ることにしました。
帰りは別のルートがあるようだったのですが、よくわからないので来た道を戻りました。
あとで地図を見てみると、先ほど途中にあった「山頂まで540m」のリフト乗り場のあたりに別の降りるルートがあったようです。
やまびこ駅まで戻ってから、今度はお花畑コースとブナ林コースを歩くことにしました。
(次の記事)
>>野沢温泉3泊4日のひとり旅③~熊のツメあとって…