うつ病患者さん向けに書いているこのブログですが、
お寄せいただく質問などを見ると、家族や恋人など、
患者さんの周囲でサポートしている方々にも
多くの方にお読みいただいているようです。
今回は、そんな方々へうつ病の人と接する上で
一番大切なことをお伝えしたいと思います。
うつ病の人に対して適切に接するためには、
まず相手のことを理解しなければなりません。
「なぜうつ病になるのか」「患者はどのような
考え方をしているのか」などがわかれば、
自然とうつ病の人への対応も優しくなっていき、
うつ病改善の手助けになることでしょう。
今までブログ内でお伝えしてきましたように、
うつ病になる人は真面目で責任感が強い人が多いです。
(参考)>>うつ病になりやすい人とはどんな人?
ある患者さんは、どんなに忙しくても、
責任感から自分一人で仕事を抱え込んでしまい、
しかも一切手を抜くことができませんでした。
今は、IT化も発達しているため、昔に比べて一人で
こなさなければならない仕事量が大幅に増えています。
あまりに忙しいからと、人員の補充を上司に申し出ても、
まだまだ不況の影響も強く、会社としても
なかなか社員を増やす余裕もありません。
にも関わらず、給料は据え置き、下手をすれば、
減給やボーナスカットも珍しいことではありません。
永遠に続くと思われる忙しさに囲まれながらも、
その努力が報われる未来が見えないと、人は
「絶望感」や「虚しさ」に襲われるようになります。
将来に希望がなくなると、やる気もどんどんなくなり、
自然と仕事上のミスも多くなります。
ミスが多くなると、今度は自分の能力が足りないからだ、
と自信をなくし、自分自身を情けなく感じてしまうようになります。
さらに、妻や子供がいたりすると、
「一家の大黒柱」としての責任感や
プレッシャーが肩に重くのしかかってきます。
適当に手を抜いたり、開き直れたりすれば
良いのですが、うつ病になりやすい人は、
柔軟に物事を捉えることができずに
苦しんでいることも多いのです。
(関連記事)
>>うつの原因になる考え方とは(認知のゆがみ)
>>うつ病の予防法~柔軟な考え方をするには
そして自分で自分を追い詰めていった結果、
心がストレスに耐えきれずポキッと折れてしまい、
うつ病を発症してしまうのです。
以上はあくまでも一つの例にすぎませんが、うつ病の方と
接する場合、「うつ病の人にはこういう傾向があって、
この人はこんな悩みを抱えているんだ」と理解して
あげるだけでも、相手はとても救われるものです。
もちろん、ストレスの内容は人によって違いますから、
うつ病患者さんがどのような悩みを持っているのかを、
聞き出す能力も重要になってきます。
ここがうまくできないと「この人は自分のことを
きちんと理解してくれている」と感じてもらうことができずに、
患者さんがさらに心を閉ざしてしまうことにもなりかねません。
うつ病患者さんが本当に求めているのは
「気持ちを理解してもらうこと」です。
患者さんの気持ちを正しく理解し、患者さんとの
強い信頼関係を結ぶにはこちらがお勧めです。
私の体験談が何かの役に立つかもしれません。
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