白石一文さんの小説「永遠のとなり」がオススメです。

入院中はとにかく時間が有り余ってます。

入院当初に妻に買ってきてもらった本もすぐに読み終わってしまい、
病院内にある売店へ行ってみました。

小さなKIOSKみたいな売店でした。
少ないですが文庫本が棚に2段ほど置いてありました。

裏表紙に書いてある「あらすじ」を一つ一つ手に取り
読んでいると、気になる本がありました。

それが、白石一文さん著「永遠のとなり」(文春文庫)です。

部下の自殺をきっかけにうつ病を発症した青野精一郎が主人公。
会社を辞め、離婚して妻子と別れて、
なにもかも捨てた主人公は故郷・博多に戻ってくる。
肺がんを患っている小学校以来の親友・津田淳との友情を通して
再生してゆく姿を描いた小説です。

「おそらく人間は自らの孤独と向き合わなければ、
自身の真価を見出すことがむずかしい生き物なのだ、
と最近思うようになった。」(117ページ11行目)

「そして、自分でも意識してこなかった意外な内面の真実に突き当たった。
私は、私という人間のことが本当に嫌いだったのである。(中略)
人生はいわば階段や梯子(はしご)を登るようなものだ。
みんな一段一段、自分の前に用意された長い階段、梯子を登っていく。
(中略)自己嫌悪の強い人間は、一段踏むたびにその段を踏み壊してしまう。」
(140ページ16行目)

上記は確かにそうだなと深く共感した箇所です。

人づき合いが苦手だったり、人前で話すことが苦手だったり、
そんな自分が嫌いで、理想の自分を思い描いて行動しても
ちっとも理想に近づけずに自己嫌悪に陥る。

いつも性急に「よりよい自分」になろうとしていたからこそ、
自分自身からしっぺ返しを受けたという主人公と
自分のこれまでの生き方がすごく似ているような気がしました。

もっと自分にやさしくしてあげなきゃなと考えさせられた一冊です。

うつ病の主人公の日常生活も、いろいろと参考になりました。

山登りをしてスケッチをしたり、近所にある大きめの公園に
スーパーで買った惣菜と水筒につめたウィスキーを持ってでかけたり、
ちょっと真似したくなりました。

家にこもっていることが多くなりがちなので、
気軽にもう少し外出を増やそうかなと思います。

(追記)
久しぶりにこの記事を読んでみましたが、
当時を思い出して何だか少し切ない気持ちになってしまいました

自分を否定せずに、より良い自分に変えて行く。
そんな姿勢が大切なのかなと今では思います。

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私の体験談が何かの役に立つかもしれません。
良かったらご覧ください。

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