うつ病の治療は「薬物療法」、「休養」、「精神療法」の
3つが基本となって進行していきます。
その中でも薬物療法は、うつの症状がひどい初期において、
もっとも重要な位置を占めていると思われます。
うつ病の治療には抗うつ薬を用いるのが一般的ですが、
抗うつ薬は大きく分けて以下の5種類に分類されます。
1.三環系
2.四環系
3.SSRI
4.SNRI
5.NaSSA
1.三環系抗うつ薬
1950年代後半から使用されている抗うつ薬で、
イミノベンジル環が3つ重なる組成から
三環系と名付けられています。
三環系抗うつ薬では、脳内神経伝達物質である
セロトニンとノルアドレナリンの働きを活性化させます。
三環系抗うつ薬は効果が高いのですが、
神経伝達物質アセチルコリンの働きも阻害してしまうため、
口の渇きや便秘などの副作用があります。
2.四環系抗うつ薬
三環系抗うつ薬にイミノベンジル環をもう1つ追加した組成から
四環系と名付けられています。
三環系に比べて副作用が穏やかですが、
効果が低いのが欠点です。
3.SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
SSRIの説明をする前に脳のしくみからみていきましょう。
うつ病になる原因は脳の内部にある「神経伝達物質」の
バランスの乱れであると考えられています。
私たちの脳の中では、神経細胞同士が複雑に結びついて
いろいろな信号を送っています。
神経細胞間で信号を伝えるのが「神経伝達物質」です。
神経伝達物質には人間の感情や気分に働きかける
性質を持つものがあります。
うつ病に関係がある神経伝達物質には
「セロトニン」と「ノルアドレナリン」があります。
セロトニンが不足すると、抑うつ気分や不安が強くなり、
ノルアドレナリンが不足すると、意欲が低下すると言われています。
つまり、うつ病患者の脳内にはセロトニンや
ノルアドレナリンが不足しているのです。
例として神経細胞Aから神経細胞Bへセロトニンを送るとしましょう。
神経細胞間には少しすき間があり、
そのすき間のことをシナプス間隙(かんげき)と呼んでいます。
神経細胞Aから放出されたセロトニンは
シナプス間隙をただよって神経細胞Bに辿り着きます。
ところが、すべてのセロトニンが神経細胞Bへ辿り着くわけではなく、
一部のセロトニンは神経細胞Aに戻ってしまいます。
そこで、SSRIが神経細胞Aに戻ろうとする
セロトニンの邪魔をして、再びシナプス間隙にセロトニンを漂わせ、
神経細胞Bへ到達する確率を高める働きをするのです。
SSRIは選択的セロトニン再取り込み阻害薬と言われるように、
セロトニンのみ再取り込みを阻害します。
セロトニン以外の神経伝達物質に影響を及ぼさないため、
抗うつ薬の中では比較的副作用が少ないと言われています。
4.SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
SNRIはSSRIの持つセロトニンの働きを高める作用に加え、
ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することによって
ノルアドレナリンの働きも高める作用もあわせ持つ薬です。
SSRI同様、抗うつ薬の中では副作用は少なめと言われています。
5.NaSSA(ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬)
SSRIやSNRIは、セロトニンやノルアドレナリンの
再取り込みを阻害することで濃度をあげていました。
これに対してNaSSAはセロトニンやノルアドレナリンの
分泌量そのものを増やす作用があります。
日本では2009年に製造が承認されたお薬で、
従来の薬に比べて効果発現までの時間が短く、
効果が持続するとして期待されています。
ここまで、抗うつ薬の種類について解説してきました。
しかし、皆さんもお気づきかもしれませんが、
薬には症状を和らげる力はあっても、
うつ病を根本的に治すという力はありません。
重度のうつ病になってしまった場合には、
症状をやわらげたり、気持ちを持ち上げるために薬は有効だと感じていますが、
ある程度症状が和らいだ後は、うつ病を根本的に治す方法を
色々と試してみるほうが、長い目で見ると良い結果につながると思っています。
私が考えているのは、「うつになりにくい体」を作るということと、
「うつになりにくい考え方」を身につけるということ。
まず始めやすいのは、「うつになりにくい体作り」です。
運動をして体を鍛える、というのもそうですが、
食事を改善して体の中からうつ病にかかりづらくしていく、
というのが一番理にかなっているのではないかと実感しています。
私が実践して効果を感じているのは「荒木式 断糖食」という方法です。
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