私がまだ30代前半だったころの出来事です。
会社勤めをしていたので、毎朝毎晩、満員電車に揺られて
会社と自宅を往復するのが日課でした。
その日は風邪をひいて体調が悪く、
熱も出ていたと記憶しています。
普段は空いていても座らないのですが、
たまたまシルバーシートに1つ空席を見つけ、座っていました。
「これで何とか家まで持ちそうだ…」
安心して、少しウトウトしていたところ、
突然、女性の怒ったような声が聞こえて、顔を上げました。
目の前に、松葉杖をついた若い女性が立っていました。
険しい表情で私の顔を睨みつけ、
「どうして席をゆずってくれないんですか!!」
びっくりした私は、思わず立ち上がり
その女性に席をゆずりました。
ゆずりながら「何かおかしいな…」と感じながら。
その女性は、片足にギブスをつけていたので、
おそらく骨折でもしていたのでしょう。
そして、松葉杖をつきながら満員電車で
移動することは、とても大変だったことでしょう。
それはわかります。
そして、その女性にとってみれば
「まだ若い健康そうな男が、シルバーシートにのうのうと
座って居眠りをしている。私がこんなに大変な思いを
しているというのに…。これはひとこと言ってやらないと
気持ちが収まらない!!」
あくまでも推測にすぎませんが、
おそらくこのように考えた結果の
「どうして席をゆずってくれないんですか!!」
だったのでしょう。
同情を求める気持ちが強すぎると…
この女性に問題があるとすれば、それは
「同情を求める気持ち」が強すぎたことでしょう。
同情を求める気持ちが強すぎると、
「自分はこんなに大変(かわいそう)なのだから、
優しくしてもらって当然だ。」
と考えてしまいます。
すると、周りの人が自分の思い通りに優しくして
くれないと、怒りが込み上げてきます。
怒りの感情は、自分自身を蝕み(むしばみ)ます。
この女性は、結果的には席に座れましたが、
その後も些細なことで怒りを感じ続けたのでは
ないでしょうか。
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うつ病を治すために必要な2つの心構え
うつ病になると、この女性のように、
とてもわがままになってしまう人も多いです。
「自分はこんなにうつ病でつらいのに、どうして
もっと私に気を使ってくれないの!!」
と同情を求める気持ちが強くなってしまうのです。
怒りっぽくなったり、わがままになったりするのは、
うつ病の場合、「症状」とも言えるので、
「同情を求めてはいけない」と言っても、
難しいかもしれません。
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しかし、うつ病を治したいのであれば、
「同情」よりも「決意」と「絶えざる努力」が必要です。
同情を求めるよりも、
「自分は絶対にうつ病を克服するんだ」
という強い「決意」が重要ということです。
「絶えざる努力」とは、「解決策を探し続けること」と
言い換えられます。
うつ病を治したいという場合なら、それは
「自分に合った治療法を探し続けること」と
言い換えられるでしょう。
あきらめずに、あなたに合った治療法を探し続けてください。
うつ病は必ず治る病気なのですから。
そして、うつ病を効果的に改善するには、
「体から治す」という考え方が重要になります。
私の体験談が何かの役に立つかもしれません。
良かったらご覧ください。