先日「主治医の見つかる診療所」で
取り上げていた睡眠特集をまとめておきます。
睡眠不足になると頭痛、胃の不調、肩こり、倦怠感から、
高血圧、糖尿病、うつ病など命に関わる病気まで
体調に様々な悪影響がでてしまいます。
うつ病になると、多くの人が睡眠障害に陥ります。
逆に、睡眠不足が原因でうつ病になる人もいます。
このように「うつ病」と「睡眠」は深い関わりがあります。
あなたは快適な睡眠がとれていますか?
そこで、今回は
「快適な睡眠をとるにはどうすればいいの?」
という問いにお答えしていこうと思います。
あなたの不眠度をチェック!
以下の12個の質問にいくつ当てはまるか
チェックしてみてください。
あなたの不眠度がわかります。
①寝る時間は決まっておらず毎日ばらばら
②平日にあまり寝られないため休日に「寝だめ」する
③起きた時に「よく寝た」と思えない
④寝つきが悪いことが多い
⑤夜中に何度か起きてしまうことがある
⑥思ったよりも早く起きてしまうことがある
⑦よく昼間に居眠りしてしまうことがある
⑧集中力が途切れがちでイライラすることが多い
⑨最近面白そうなことがあってもあまりやる気が出ない
⑩自分は寝なくても大丈夫なほうだ
⑪眠れないのは異常ではないと思う
⑫仕事が忙しいと寝ないで夜遅くまで頑張ってしまう
あなたはいくつの項目に当てはまりましたか?
注意するのは4個以上当てはまった人。
10個以上の方は不眠症に近いレベルです。
専門医への相談をおすすめいたします。
4~9個の場合は、これからお伝えする
セルフケアの方法を試してみましょう。
睡眠ホルモン「メラトニン」とは
快適な睡眠をとるために欠かせないのが「睡眠ホルモン」。
睡眠ホルモンとは、脳の松果体という部分で作られる
「メラトニン」という物質のことです。
メラトニンは脳で作られ、
血液を通じて全身に行き渡ります。
そして、自律神経を通じて脈拍をゆっくりさせたり、
体温を下げるなどの調節を行い、
眠りにつくための準備をするのです。
つまり、メラトニンの分泌を正しく行うことが
快眠につながるというわけです。
メラトニンを正しく分泌させるには
「メラトニンを正しく出せばいいのはわかったけど、
具体的にどうすればいいの?」
はい、お答えします。
睡眠ホルモンを正しく出すには
以下の2つの方法が効果的です。
・毎日同じ時間に朝日を浴びる
・夜になったら強い光をなるべく見ない
「それだけ?」と思いましたか?
なぜこんな簡単な2つの方法で睡眠が改善されるのでしょうか。
それには、睡眠ホルモンの性質について理解すれば
納得いただけると思います。
メラトニンの分泌サイクル
メラトニンには、朝起きて太陽の光を見てから
14~16時間たつと分泌され始めるという性質があります。
たとえば、朝7時に起きて太陽の光を浴びたとしましょう。
それから約14時間後の午後9時に
徐々に睡眠ホルモン「メラトニン」が分泌され始めます。
分泌されてから約3時間後の深夜0時ごろに眠くなり始め、
寝ている間に、少しずつメラトニンの分泌量が減ってきます。
そして約7時間後にメラトニンの分泌が収まってきます。
朝7時ごろには自然と目が覚めるという仕組みです。
というわけで、「毎日同じ時間に朝日を浴びる」
ということは睡眠ホルモン「メラトニン」を正常に
増減させるため、規則正しい睡眠につながるというわけです。
具体的には朝10時ごろまでに太陽の光を浴びるといいそうです。
「でも、寝ようと思っても、
なかなか寝つけないときはどうするの?」
そこには、メラトニンのもう一つの性質が関わっています。
メラトニンは夜強い光を浴びると減少する
メラトニンという物質はとってもデリケートです。
300ルクス以上の光を浴びると減り始め、
500ルクス以上の光で大幅に減少してしまいます。
夜になって、せっかくメラトニンが分泌され始めても、
布団の中で携帯電話やスマートフォンの画面を見るだけで、
大幅に減少してしまいます。
眠りにつくために必要な量にまで達しないために、
なかなか寝つけないという現象が起きてしまうのです。
この他にも、暗いところでのパソコン画面は
500~1000ルクス、深夜のコンビニの店内は
1000~1500ルクスもの明るさです。
メラトニンの量を減少させないためにも、
寝る前にパソコン、テレビ、スマートフォンなどの
画面を見たり、コンビニへ行ったりすることは
控えたほうが良いということです。
メラトニンを減らしにくくするには
「でも、どこへ行っても明かりがある現代社会では、
夜、光を見ないほうが難しいんじゃないの?」
そうですね。
それでは、メラトニンの量を減りにくくする
3つの方法をお伝えします。
①昼間に太陽の光を30分以上浴びる
②部屋の照明を暖色に変える
③ハミガキの時間を寝る1時間前に終わらせる
順に見ていきましょう。
2002年にアメリカで、30分以上太陽の光を浴びたグループと
浴びなかったグループでメラトニンの分泌量を
比較する実験を行ないました。
その結果、昼間に30分以上太陽の光を浴びたグループのほうが
メラトニンの分泌量が減らないという結果がでました。
昼間外出できない人でも、陽の当たる窓際などで
30分以上過ごすだけでも大丈夫です。
また、白い光を見ると青色光線がメラトニンの分泌を妨げます。
この場合は、部屋の照明を暖色系にするか、
暖色のカバーをとりつけるなどで対処できます。
ハミガキの時間をずらすのは、歯茎を刺激すると
メラトニンの分泌量が減ってしまうからです。
眠る1時間前にハミガキをすることで、一時的に
メラトニンの分泌量は減りますが、眠りにつくころ
には、また増えてきますので問題はありません。
まとめ
・毎日決まった時間に朝日を浴びる
・日中に30分以上太陽の光を浴びる
・照明の光は暖色のものを選ぶ
・ハミガキは寝る1時間前に終わらせる
以上の4点に注意すれば、
睡眠ホルモンが適切に分泌されるようになり、
快適な睡眠を得られる確率が上がります。
あなたもぜひお試しください。
私の体験談が何かの役に立つかもしれません。
良かったらご覧ください。