前回は、自分の考え方のクセを知ることが大事だとお伝えしました。
>>自動思考とは~まずは自分の考え方のクセを知る
自分の考え方のクセの中に、歪(ゆが)められた考えが含まれていると、
マイナスの気分や感情を引き起こす原因になります。
歪められた考え方を、認知療法では“認知の歪み”と読んでいます。
認知の歪みは10個のパターンに分けられます。
自分の考え方の中に、このパターンが当てはまっていないか、
点検してみましょう。
(1)白か黒かの考え
失敗したら人生そのものに意味がない、というような極端な考え方。
(例)受験に失敗し、人生に絶望して自殺してしまうなど
(2)一般化のしすぎ
1度や2度の出来事だけで、「いつも~だ」「決して~ない」などと
一般化して考えてしまう。
(例)女性に告白してふられた→
「今後私には決して彼女はできないだろう」と考えてしまう。
(参考)>>「事実」と「主観」は分けて考えましょう
(3)心のフィルター
自分に否定的なことだけを考えて悩んでしまう。
(例)自分に賛成する人が99人、反対する人が1人いたとしても、
反対する1人の意見にだけ目を向けてしまい、必要以上に思い悩む。
(4)マイナス化思考
「心のフィルター」の発展系。
否定的なことだけに目を向けてしまうばかりか、自分にとって良いことも
割り引いて考えたり、否定的なことに変えてしまう。
(例)今月の営業成績がトップだった→
「こんなのはまぐれだ。どうせ来月はもっと順位が下がる。」
などと考えてしまう。
(5)結論の飛躍
自分の勝手な思い込みや推測で、悲観的に考えてしまう。
「結論の飛躍」には2パターンあります。
a. 相手の心を深読みする
b. 未来の出来事を予測する
(例)職場の男性に「最近、化粧変えた?」と言われた→
「自分には似合わない化粧という意味なのかな」などと
深読みしてしまう。
(6)過大評価と過小評価
相手の力量や自分の失敗を過大に考えてしまう。
反対に、自分のやり遂げた成果などは過小評価してしまう。
(例)自分の過去の失敗は、みんな知っている。
みんなが私のことを馬鹿な奴だと思っているに違いない。
だから、もう私の人生はおしまいだ。(失敗の過大評価)
(7)感情の理由づけ
自分の感情によって、事実が生み出されると考えてしまう。
(例)なんだか悪い予感がする。
だからきっと悪いことが起きるに違いない。
(8)すべき思考
「~する以外にない」「~するべきだ」と考えてしまうこと。
自分に対して“すべき思考”をすると非常なプレッシャーとなり、
他人に対して使うと、怒りなどの感情が生まれる。
(例)私はこれだけ頑張ったんだから、上司はもっと評価するべきだ
→たいていこのような気持ちは、満たされることは少ないので
相手に対して「怒り」や「絶望」の気持ちが生まれる。
(参考)>>うつ病を治すために必要な2つの心構え
(9)レッテル貼り
「一般化のしすぎ」の極端な形。
自分や他人にネガティブなレッテルを貼ってしまうこと。
(例)「自分はダメ人間だ」「私は人付き合いが苦手だ」など
(関連記事)>>セルフイメージの高め方
(10)全て自分の責任
責任のないことで自分を責めること。
(例)彼とのデートの日。途中から大雨が降ってきました。
→「私が雨女だから雨が降ってきたんだ。本当に彼に申し訳ない。」
などと考えてしまう。
(関連記事)>>運が良い人の習慣~都合の良い考え方
“認知の歪み”の10パターン、いかがでしたでしょうか。
自分の考え方の中に、ここで挙げた“認知の歪み”が
含まれていないか点検してみましょう。
自分の心の中を深く追求するのはどうも苦手だという方は
こちらの方法がおすすめです。
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「プチ認知療法」詳しいレビューはこちら
»(8)「うつの原因になる“考え方”を変える方法(3つのコラム法)」へ続く
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