今までの記事で、“ゆがめられた考え”が
憂うつな気分や悲観的な感情を生み出すと述べてきました。
(詳しくは≫「認知のゆがみ」参照)
では、その“ゆがめられた考え”は
どうやって生み出されるのでしょうか。
ゆがめられた考え方の裏には、
隠れた欲求というものが存在しています。
その欲求とは、以下の4つです。
①人から認められたいという欲求
②愛されたいという欲求
③成功したいという欲求
④完璧でありたいという欲求
これらの欲求は、誰でも多かれ少なかれ持っているものですが、
その欲求が過剰に膨れ上がると、
“ゆがめられた考え”を生み出してしまいます。
例えば、人に認められたいという気持ちが強くなりすぎると、
極端に人の顔色を伺い、人からちょっとした意見を言われただけで、
過剰に落ち込む、ということも起こってきます。
例に挙げた状態では、『心のフィルター』『マイナス化思考』
『結論の飛躍』『過大評価』などなど、すでにいくつもの
“認知のゆがみ”が入り込んでいます。
『認められたい』『愛されたい』『成功したい』『完璧でありたい』
という欲求の強さは、その人の価値観によって決まります。
つまり、どのような考え方を持つか、というのは、
その人が持っている、特有の価値観によって決まる、ということです。
では次に、価値観はどのようにして形成されるのかを
見ていきましょう。
個人の価値観は、今までの経験と周囲の環境によって作られます。
例えば、「自分は誰からも褒められたことがない」という経験を持ち、
「人から尊敬されるような人間にならなければ意味がない」という
価値観を持つ親の影響を受けて育った子どもがいたとします。
すると、その子どもは高い確率で、“人に認められたい”という欲求が
非常に強い人間に成長してしまいます。
それは、ゆがめられた考えを生み出す土台となる
価値観が醸成されてしまった、ということを意味しています。
一番初めは、価値観が考え方を生み出しますが、
その後は、考え方が価値観に影響を及ぼし、
価値観と考え方は、相互に影響を与え合うようになります。
価値観と考え方の間にある矢印が双方向になっているのはそのためです。
『認められたい』『愛されたい』『成功したい』『完璧でありたい』
という4つの欲求が強すぎる価値観を持っていると、
ゆがめられた考え方を持つようになり、その考え方が今度は
価値観に悪影響を及ぼす、という悪循環が生まれてしまいます。
【今日のまとめ】
●ゆがめられた考えの裏には、4つの欲求が隠れている
●その欲求の強さ(=価値観)によって、ゆがめられた考えが生み出される
●価値観は、今までの経験と周囲の影響によって形成される
●マイナスの価値観とゆがめられた考え方は、相互に悪影響を及ぼす
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