認知療法とは、「考え方を変えて、
その結果、気分や感情を変える」方法だと述べました。
感情を生み出す元になる「考え方」は、
多分に周囲の人の影響を受けて形作られます。
もともと、私たちが生まれてきた時は
善悪の判断基準など無いわけです。
育ててくれた両親や、兄弟・親戚などの肉親、
友人・知人その他の人々の影響を受けて、
考え方が決まってくるということですね。
子どもの人格形成には、幼児期の子育てが
特に重要とも言われています。
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そう考えると、住んでいる国の環境も
大きく影響してくることはご理解いただけることでしょう。
その国の持っている文化などの
社会通念というか、常識などが、
そこに住んでいる人々の考え方に影響を及ぼします。
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では、日本人の考え方の傾向は、
どのようなものなのでしょうか。
日本青少年研究所が調べた、
「高校生の心と体の健康に関する調査」(2011年2月発表)
を見てみました。
日本、アメリカ、中国、韓国の高校生に
アンケートをとった結果を集計したものです。
その結果を見て、日本人の高校生が
他の国の高校生に比べて、
自己評価が異様に低いことに愕然としました。
●自分は価値のある人間だと思う
「全くそうだ」と答えた割合
・日本:7.5%
・アメリカ:57.2%
・中国:42.2%
・韓国:20.2%
●自分は人柄が良いと思う
「全くそうだ」と答えた割合
・日本:6.5%
・アメリカ:63.4%
・中国:36.4%
・韓国:16.4%
●私は自分を肯定的に評価するほうだ
「全くそうだ」と答えた割合
・日本:6.2%
・アメリカ:41.2%
・中国:38.0%
・韓国:18.9%
●私は自分に満足している
「全くそうだ」と答えた割合
・日本:3.9%
・アメリカ:41.6%
・中国:21.9%
・韓国:14.9%
●自分が優秀だと思う
「全くそうだ」と答えた割合
・日本:4.3%
・アメリカ:58.3%
・中国:25.7%
・韓国:10.3%
特にアメリカと日本を比べた場合、
アメリカ人のほうが、日本人の10倍近く
自己評価が高いという結果になっています。
日本人ほどではないですが、
韓国人も自己評価が低い傾向にありますね。
「他人の評価を気にしすぎる」
「間違えることに寛容ではない」といった
その国の文化的背景に影響していると考えられます。
こんなに自己評価が低いと、
生きていても楽しく感じられることは
少なくなってしまうでしょう。
国を挙げて何らかの対策をする必要も強く感じますが、
自分で自分を守るということも重要です。
考え方を変えて気分を変えるという認知療法は、
自分で自分を守る上で、
非常に有効な治療法と言えるでしょう。
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