「ストレスに負けない!自己トレーニング」の
3回目、テーマは「心を“今”に向ける」です。
心を「今」に向けるのは、
マインドフルネスと呼ばれるやり方で、
ヨガや仏教の瞑想に含まれるトレーニング方法です。
(関連記事)>>執着心を捨てる瞑想法
前回までの内容はコチラです。
>>(第1回)ストレスでリラックスできない時の体の使い方
>>(第2回)言いたいことが言えないストレスを解決
魔法のひと言
私たちは普段、過去や未来の出来事に心を奪われ、
しなくてもいい心配や後悔に悩まされています。
うつ病の時には、なおさらその傾向が強くなります。
たとえば、
「昨日の報告書にミスがあった」といつまでもクヨクヨと思い悩んだり、
「明日の試験はうまくいくだろうか…」とまだ始まってもいないのに
緊張でドキドキして眠れなかったりします。
これは、頭の中の「考えの世界」と、
「現実」とを取り違えることによって起こります。
一度、思考の外に出て、現実と触れ合えれば
気分も軽くなるのですが、考えないようにしても、
かえって頭から離れなくなってしまうものです。
そんな時には「…と考えた」という
魔法の言葉を付け加えると妄想の世界から脱出できると言います。
「報告書のミスで部長は怒っているだろうなぁ…と考えた」
「…と考えた」という言葉を付け加えるだけで、
「部長が怒っているというのは、私の考えの中のことだ、
それなら他の考え方もできるはずだ」
と妄想の檻の中から脱出しやすくなります。
ドラゴンボールの孫悟空が使っていた
魔法の言葉はこちらをご覧ください。
>>孫悟空が教えてくれる、考えすぎて行動できない時の魔法の言葉
川と葉っぱのイメージ訓練
(1)軽く目を閉じて椅子に座ります
(2)ゆったりとした川の流れの傍らにあなたは腰を下ろしています
その川を何枚かの葉っぱが流れているとイメージします
(3)心の中に何か考えが浮かんだら、それを葉っぱの上に乗せて流れに任せます
「彼に任せた仕事はきちんと進んでいるだろうか…」
「今夜は取引先の接待だ、憂うつだなぁ…」
そのような考えが大きくなる前に、葉っぱの上にそっと載せ、
手を離して流れていくのを外から眺めます。
これを5分以上続けてください。
考えを止めることはできませんが、早めに切り上げて、
その中に飲み込まれないようにする訓練です。
考えを外から客観的に眺めているというイメージです。
イメージトレーニングは、やはり少々難易度が高いようで、
番組進行役の久田直子さんも濱中博久さんも
うまく行かなかったようでした。
濱中さんは、不快な人を流してしまおうとしたけれど、
岩にしがみついて流れていかなかったと言っていました。
無理に流してしまおうとすることは逆効果になり、
葉っぱに任せる気持ちで行うことがコツだそうです。
あらゆる音に耳を澄ます
今までの2つの方法「魔法の言葉」と
「川と葉っぱのイメージ訓練」は、
浮かんでしまった考えを早めに切り上げる方法でした。
これに対し、3番目の方法は
現実を鮮やかに感じ取りながら、
考え自体をあまり浮かんでこないようにする訓練法です。
考えないようにするのではなく、結果的に考えが
浮かんでこないようにすることが目的です。
5つの環境音を聞く訓練です。
番組では、虫、電車、ピアノ、波、時計の音を使いました。
これらの音を同時に流しておきます。
(1)1つの音に注意を集中して聞く練習
最初は「波」次は「虫」…というように、
1つ1つの音を1分づつ集中して聞きます。
(2)注意を切り替える練習
同様に10秒ずつ注意を切り替えながら聞きます。
(3)5つの音すべてを聞く練習
「聖徳太子が7人の人の声を同時に聞き分けた」
といった心の使い方の訓練です。
たとえば、山登りをして頂上についた時、
一気に視界が開けます。
全ての景色が自分の中に流れ込んでくるように感じて感動し、
言葉を失った経験もあるのではないでしょうか。
これは現実そのものを鮮やかに感じ取っているために、
他のことは考えなくなっている状態です。
(3)はこのような心の状態を作り出そうという訓練です。
番組では用意された音を使用していましたが、
実際の生活音を使うことで、応用できます。
たとえば車の音、エアコンの音、冷蔵庫の音、
流しに水がチョロチョロと流れる音など、
5つほど用意して練習すると良いそうです。
似たような方法を私も使っています。
私の場合は、耳ではなく目を使います。
集中できない時に、ある一点を集中して
じっと見つめることで集中力が増していきます。
ぜひ試してみてください。
ここで五感を利用しているように、「体」を通じて
行う方法は、頭の中で考えるだけよりも実践しやすく、
効果が得られやすいため、うつ病の改善にとても有効です。
うつ病を根本から治す考え方を知りたい方は
下記の記事をご覧ください。
私の体験談が何かの役に立つかもしれません。
良かったらご覧ください。