軽症うつ病の診断基準で簡単に触れましたが、
今回は仮面うつ病について詳しく見ていこうと思います。
うつ病の初期には、頭痛・めまいや肩こりなどのように
身体面の不調ばかりが表面に現れてしまい、
うつ病以外の病気のようにみえることがよくあります。
この現象を“うつ病が他の病気を装う”という意味で
「仮面うつ病」と呼んでいるのです。
仮面うつ病の場合、2つの原因が考えられます。
1つは、意欲の低下やイライラ感などの精神症状が原因となり、
頭痛などの身体症状が起こっている場合です。
これは、通常のうつ病と考えられます。
もう1つは「首のコリ」が原因となり、
自律神経の働きを妨げることによって
原因不明の体の不調が出てくる場合です。
これは「頸性うつ病」と呼ばれています。
「首のコリ」が体の不調を引き起こす
メカニズムについては、こちらの記事をご参照ください。
仮面うつ病の場合、身体症状の後に
精神症状が現れることが多いのですが、そのようなケースでは
「体の不調がある部分に原因があるのだろう」
と誤って考えてしまいがちです。
たとえば、胃のあたりがキリキリと痛い、
という場合に、胃それ自体に問題があると考えてしまいます。
本当は、うつ病が体の不調を招いているにも関わらずです。
その結果、かなり悪化してから本当の原因に
気づくという悲劇が起こってしまうのです。
たとえば、身体に違和感が現れたので、内科や外科、
婦人科などを受診したが原因が特定できなかった。
そのあげく、他の科をたらい回しにされたり、
別の病院をいくつも受診するという、
いわゆる
「ドクターショッピング」と呼ばれる行動に走ります。
身体面の症状が悪化するにつれて精神症状が現れる場合や、
身体症状と精神症状が交互に現れる場合など、
パターンは人それぞれで異なります。
しかし、いずれにしてもうつ病にかかると
まずは身体面に不調を覚える「仮面うつ病」の
症状が見られる場合が多いと言われています。
私の場合も、以前スポーツジムで激しい胃の痛みを感じ、
胃カメラの検査を受けました。
しかし、特に異常は見られないという検査結果でした。
その当時、他の身体症状としては、夜中の3時ごろに目が覚めてしまい、
その後も2~3時間おきに目が覚める「早朝覚醒」の症状もみられました。
また、寝ている間に脚の部分だけ異様に汗をかき、
ジャージで寝ているのですが、ジャージが汗でグショグショになる
という症状もみられたことがありました。
心療内科の診断では、おそらく自律神経のバランスが
崩れているためではないかと言われました。
私の場合は、心療内科にも通っていたので
「体の不調の原因はうつ病」だとわかっていましたが、
胃痛に関しては激しい痛みが伴っていたため、
念のため検査をしたという次第です。
原因不明の体の不調が現れた場合には、
症状の現れ方によって治療法も変わってきます。
当ブログでは、うつ病を体から治す治療法として、
「荒木式うつ病改善プログラム」と
「2ヶ月間うつ病改善プログラム」を推奨しています。
両教材の選び方の違いはこちらの記事をご覧ください。
>>荒木式と2ヶ月間 うつ病改善プログラムを比較してみた
わかっていても検査をしてしまうぐらいですから、
うつ病が原因だと気付かない場合には
原因がわかるまで病院を転々としていたかもしれません。
「うつ病には様々な体の不調が現れる」と
知っているだけでも、重症に陥るのを防げますので、
正しい知識は非常に大切だと言えるでしょう。
私の体験談が何かの役に立つかもしれません。
良かったらご覧ください。