「自分に優しくする」という本当の意味

私、高校時代に遅刻の数がものすごく多かったんですね。

母親を交えた三者面談の時に、担任の先生から

「やじろべぇ君は、県の高校生の中で一番遅刻の数が多いんです。
 一体どういうことなんですか。」

と言われるほど、毎日のように遅刻していました。

あとで母親からも
「あんなことを言われてとても恥ずかしい思いをした」
と言われた苦い思い出です。

自分の感情を無理やり押さえつけるとどうなるか?

やっぱり根底には、学校に行きたくないとか、
友達とコミュニケーションがうまくとれない、
などの悩みがあったから遅刻が多かったのでしょう。

しかし、当時は遅刻をする自分はダメなヤツだとか、
とにかく自分を責めることしかしていませんでした。

(関連記事)
>>THE MANZAI 華丸大吉の優勝コメントと自己嫌悪について

遅刻をすると、ホームルームの時間とか、
授業中に教室の中に入っていくことになりますよね。

その時に、毎回教室の前の扉から入っていました。

教室の後ろの扉からそ~っと入ることもできたのですが、
わざわざ目立つ前の扉から、入っていたのは何故だと思いますか?

それは、遅刻して教室に入るのが恥ずかしいと思っていたので、
目立つ前の扉から入ることに慣れてしまえば、
恥ずかしいと感じることもなくなるかもしれない
と当時の浅はかな私は考えていたからです。

そんなわけで、 恥ずかしい気持ちを無理やり押さえつけて、
毎日のように遅刻をしては、
わざわざ目立つ前の扉から入っていたのです。

多分、クラスメートからは、
毎日のように遅刻して、わざわざ前の扉から入ってくる
私の行動は、意味がわからなかったでしょうし、
頭のおかしい奴だと思われていたでしょう。

でも、私は自分の「恥ずかしい」と感じてしまう
自分の感情がとにかくイヤでした。

だから無理やりその感情を抑え込もうとしていたんです。

その結果、どうなったと思いますか?

「恥ずかしい」という感情に慣れるどころか、
むしろ余計に恥ずかしいという感情を
意識してしまう結果になってしまいました。

無意識にまともにぶつかっても勝てるわけがない

今考えてみると、心の働きを理解していれば、
それは当たり前すぎるほど当たり前なことだったんです。

人間には、意識と無意識があることは
みなさんもご存知ですね。

意識というのは「自分で何かをやろう」というような意思、
つまり自分でコントロールできる部分です。

反対に、無意識とは自分でコントロールできない部分、
呼吸とか血液の流れは無意識のうちに制御されていますし、
心の奥に隠れている感情などもそうですね。

そして、意識と無意識の割合は3:97と言われています。

圧倒的に意識の方が少数派で不利なわけです。

まともにぶつかっていったら、無意識にかなうわけがありません。

しかし、私が高校生の時に行なっていたことは、
まさにこの無意識に正面からぶつかっていたのと
同じことだったんです。

この場合、意識の上では「恥ずかしい」という感情を
無理やり抑え込もう、感じなくしようとしていました。

反対に、無意識下では、
どうしても恥ずかしいという感情を感じていました。

無意識にわきおこる感情を無視しようとしたり、
無理やり抑え込もうとしたりすると、
逆にその感情を私に気づかせようと、
無意識がさらに強大な力で暴れ始めることになります。

恥ずかしさを無理やり感じないようにすることで、
余計に恥ずかしさを感じるという
悪循環に陥ってしまっていたわけです。

自分で何とかしようと思って頑張っているのに、
全く効果がないどころか、むしろ逆効果になることを、
気づかずに何度も繰り返していたのです…。

何だか、当時の自分を思い出して、
ものすごく切ない気分になってしまいました。

でも、こういう人って結構いるんじゃないでしょうか。

人を嫌ってしまったら、
「人を嫌う自分が悪い。何とか好きにならなければ…」とか、

朝、仕事に行きたくないと思ってしまったら、
「仕事に対してやる気がでない自分が悪い、
 何とかやる気をださなければ…」などというように。

そんな風に、自分の感じている感情を否定して、
「無意識」に真正面からケンカを売っている人は多いと思います。

「自分に優しくする」という本当の意味

自分の感情を認められず、どんどん悪循環に陥っている人は、
まずは自分の感情を素直に受け入れることから始めた方が良さそうです。

高校時代の私の場合だったら、
恥ずかしいという気持ちを無理やり抑え込もうとせず、
今恥ずかしいと感じているという、その感情を素直に感じてあげる。

自分の感情を無視しない。押さえ込まない。

「あぁ、自分は恥ずかしいと感じているんだな。
 でもその恥ずかしさに慣れたいから前の扉から入ってみよう。」

行動としては、先ほどと同じことをしていますが、
自分の感情を否定するか、受け入れるか、という違いがありますので、
この場合は恥ずかしいという感情が必要以上に暴れだすことはなくなります。

対処法として良いかどうかという問題はありますが、
恥ずかしいという感情を押さえつけようとして行う
同じ行動とは、全く結果が異なってくると思います。

よく「自分に優しくしてあげましょう」なんて
言われることが多いですが、自分に優しくするということは、
自分の好きな音楽を聴いてリラックスするとか、
お風呂に入ってゆったりするとか、
もちろんそういうことも自分に優しくするということではあります。

でも、自分に優しくする一番のことは、
自分の感情を無視しない、押さえ込まない、
ということなんじゃないかな、と思っています。

自分の感情に素直に耳を傾けると、
無意識からの強力な反発もなくなりますので、
ものすごく心が楽になります。

人間の感情って、ものすごく複雑そうでいて、
実はとてもシンプルだったりするのかもしれませんね。

自分本来の感覚を大切にして、他人に振り回されず
自分の人生を生きていきたい方はこちらをご覧ください。
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私の体験談が何かの役に立つかもしれません。
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