発達障害の人によく見られる特徴として、感覚過敏があります。
アスペルガー症候群やADHDなど自閉症スペクトラムの人は、特に音に過敏な人が多く、他にも光、匂い、味、痛みなどに過剰に反応することがあります。
発達障害の感覚過敏
音に敏感
聴覚過敏の人は、救急車のサイレンの音や打ち上げ花火の音、駅や街中での騒音などが苦手です。ドアの開け閉めやノックの音など、一般の人には何でもないような音でも、不快に感じることがあります。
また、複数の人で会話をしている時などに、背後でラジオの音楽が流れていたり、別の集団が会話をしていたりすると、どの音も同じ大きさに聞こえてしまいます。そのため、突然話を振られると答えられなかったりして、「人の話を聞いていない」「あいつはいつも反応が悪い」など、あらぬ誤解を受けてしまうこともあります。
光過敏、視覚過敏
視覚過敏の人は、光をとてもまぶしく感じます。また、視界に入っているものが、すべて目に飛び込んでくるように見えます。これは、聴覚過敏と同じように、全てが並列に見えてしまうため、どれか一つを選んで見ることがとても困難になります。対象物と背景が同化して見えてしまっているのです。
日常生活では、たとえば何かものを探している時に、探し物が見つけづらいという不都合が起こります。自分の目の前にある「はさみを取って」と相手からお願いされたとしましょう。発達障害の人は、目の前にはさみがあるにも関わらず、どこにあるのかわからずに探し回ります。相手からイライラした声で「目の前にあるでしょ!」と怒られてしまうことになります。
匂いに敏感
普通は良い香りと感じられる匂いについても、ひどい悪臭だと感じてしまうことがあります。嗅覚過敏の人は、排気ガスや人の体臭、化粧品の匂いなどが入り混じった人混みなどを嫌う傾向にあります。また、出てきた食べ物は全て匂いをかいでしまう癖がある人もいるようです。
痛みに敏感
チクチク・ゴワゴワした素材に、ひどく嫌悪感を感じます。手を洗う、シャワーを浴びるなど、水に触れることを嫌がる人もいます。また、ちょっと触れただけなのに、強く叩かれたように感じてしまう人もいるようです。
味覚過敏
色々な食材や調味料などを使った料理が苦手です。また、食感が硬いから揚げなどを痛くて食べられないと感じたりします。柔らかい食感でも、気持ち悪いと感じる人もいます。必然的に食べられるものが限定されてしまい、極端な偏食に陥っている人も多いようです。
発達障害をカミングアウトした栗原類の感覚過敏
先日、モデルの栗原類さんが「自分は発達障害だ」とカミングアウトされました。アメリカに住んでいた8歳の時に、ADD(注意欠如障害)と診断されていたそうです。
発達障害には「強いこだわりがある」という特徴もあります。栗原さんが小学生だったころ、「水を飲んでからでないと授業に参加しない」「あらかじめ決めていたピッタリの時間でないと家を出ない」などの強いこだわりがあったそうです。
栗原さんの感覚過敏としては、音に対して非常に敏感だったそうです。アメリカの小学校に行っていた時は大丈夫だったのですが、日本に来てから音楽の授業がとても苦痛だったそうです。
アメリカでは正しい音程や発声で、きれいに歌うことを重視しているそうです。しかし、日本では怒鳴ったりガヤガヤ歌ったりなど、とにかく大きな声で元気よく歌っていれば良しとする風潮があります。それに我慢しきれずに、耳をふさいだり、教室から逃げ出したりということが数多くあったそうです。
親が学校に呼び出され先生に注意された時に、アメリカでの音楽の授業は平気だったと告げたところ、「正しく歌う子どもを批判するんですか?」と逆ギレされてしまいました。
栗原さんは、先生から「歌を楽しむ情緒のない子ども」というレッテルを貼られてしまい、毎日ストレスを感じていたそうです。
栗原さんの場合は日本の音楽教育や、担任の先生にも問題がありそうですが、このように発達障害の人たちは、感覚過敏そのものでストレスを感じるだけでなく、感覚過敏に対する周囲の偏見にも強いストレスを感じてしまうわけです。
感覚過敏は何故起こるのか?
発達障害とは、発達が遅れているという意味ではなく、脳の認知機能に偏りがあり、それが日常生活において支障をきたすレベルにある状態を指します。発達障害には、アスペルガー症候群やADHDなどの自閉症スペクトラムが含まれます。
発達障害は、病気というよりもクセのようなもので、たとえば視覚的な思考が得意である代わりに言語認識力が低いというように、得意・不得意がはっきりと分かれるのが特徴です。
発達障害の感覚過敏も、脳の認知機能の偏りに原因があります。わかりやすい言葉を使えば、「発達障害の人は刺激に対してとても敏感な脳を持っている」ということです。
普通の人よりも刺激に敏感な脳を持っているため、音が大きく感じられたり、光がとてもまぶしく感じられたり、味覚や舌触りに過剰に反応したりするわけです。
そして、通常よりも大きく感じられる刺激を脳で処理する時に、より多くのエネルギーを消費することになります。無意識に脳を酷使し、脳の栄養素を大量消費してしまうために、思考散漫、集中力・記憶力の低下、やる気の低下、神経の高ぶりなどの症状が現れてしまいます。
これらの症状を改善するためには、発達障害の人の敏感な脳のメカニズムを知り、脳の機能(スペック)を上げる必要があります。
脳の器質的な構造自体を変えることはできませんが、原因を知り、正しい方法を用いることで、発達障害の症状は改善させることができます。
(関連記事)>>アスペルガー・ADHDの治療理論
「大きい音が不快だから、仕事中に耳栓をする」という対処法はどうでしょうか。もちろん周囲の理解を得られれば、その方法も有効だと思います。
しかし、人から話しかけられた時に耳栓を外して聞き返したり、電話の音に気づかなかったりなど、社内のコミュニケーションが円滑に進まず、周囲からの孤立をさらに悪化させることにもなりかねません。
「音が大きく聞こえる」という問題に表面的に対処するだけでなく、根本的な解決につながる対応をした方が、より円滑な人間関係が築けるはずです。
今回は感覚過敏についてお伝えしましたが、日常生活に支障をきたすほどの、発達障害に付随する様々な問題は、原因を特定して正しい方法を用いれば改善することができます。
アレルギー体質、免疫系が弱い、精神的な不安定さ、周囲との違和感、漠然とした不安感、空気を読むのが苦手、職場での孤立、共感性の欠如、過去のことが頭から離れないトラウマ体質、etc…。
発達障害の人たちが多く持つ、これらの問題点を根本から解決されたい方は、当ブログ推奨教材「アスペルガーADHD発達障害改善マニュアル」のご一読をお勧めいたします。
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