大学時代に自転車ツーリングを始めた。
自転車と言っても、レーサースーツに身を包み、
ヘルメットをかぶった競輪選手が乗っているような、
細いタイヤのああいうカッコイイ奴じゃない。
タイヤの横に金具をつけて、サイドバッグと
呼ばれる荷物入れをとりつける。
サイドバッグの中には、着替えや替えのタイヤにチューブ、
シャンプーなどのお風呂道具など生活必需品を入れる。
後ろには荷台がついていて、そこにはテントや
中に敷く銀マット、シュラフ(寝袋)などを積んでいる。
自炊をする時には鍋やコンロを積むこともある。
前面にもバッグ(フロントバッグと呼ぶ)がついており、
ここには地図や財布などといったように
すぐに取り出す必要があるものを入れている。
全部合わせると結構な重量になる。
自転車はズッシリと重い。
着ている服もレーサースーツのような
カッコイイものではない。
ジャージにTシャツという泥くさい格好だ。
雨が降ったら雨ガッパを着て走り続ける。
こんな装備で何日も自転車旅行をするのが好きだった。
特に山が好きだった。
雄大な山に包まれていると、
それだけで安心するからかもしれない。
そんなわけで、よく峠を自転車で登っていた。
「ホントにこんな坂道を自転車で登れるのか?」
初めて登った時はそんな感想だったが、
一緒に走っていた先輩は休まずに
どんどん登って行ってしまう。
低い山なら30~40分ぐらいで峠にたどり着くが、
標高が2000メートルを超えてくると
1時間とか2時間とかずっと坂道をこぎつづけることになる。
初めての時はほとんど自転車を押しながら峠にたどり着いた。
しかし、苦労した甲斐あって、
峠からの景色はほんとに素晴らしいものだった。
その景色を見たいがために、またつらい坂道を
登ろうという気持ちになったのかもしれない。
何度も何度も登るうちに、
足腰も強くなってくるし、途中休まないで
こぎつづけるコツもわかってくる。
そうするとまた一段と峠越えが楽しくなってくる。
何よりも、峠を越えればまたあの景色が見れる。
心が解き放たれるような山の上からの絶景。
つらい坂道もあきらめずにペダルを
こぎ続けていれば必ず峠のてっぺんにたどり着く。
「あきらめさえしなければ。」
うつ病で辛かった時は、よく峠越えのことを思い出していた。
「いつかこの辛い症状にも終わりが来るはずだ。
あきらめずに少しずつ進んでいけば、きっと。。。」
もちろん、そんなことすら考えられない時もあった。
そんな時は薬を飲んでなるべくゆっくり過ごして
やり過ごすしかない。
しかし、その期間が過ぎたら、
あなたもまた少しずつあきらめずに進み続けて欲しい。
「うつ病はきっと治るものだ」と信じて。
管理人の詳しい体験記はこちら
>>やじろべぇのうつ病克服体験談
私の体験談が何かの役に立つかもしれません。
良かったらご覧ください。