「脳内伝達物質であるセロトニンが不足するとうつ病を発症する」
このように聞いたことがある方は多いでしょう。
セロトニン以外にも、ノルアドレナリンや
エンドルフィン、ドーパミンなどのバランスが
崩れて発症するとも言われていますが、
概ねセロトニン不足と捉えて良いと思われます。
抗うつ薬も、大雑把に言うと脳内のセロトニンを増やして
うつ病を改善しようとするものです。
抗うつ薬を飲むと、脳内のセロトニンは
1時間程度で増えるそうです。
しかし、実際に抗うつ薬を飲んでから
うつ病が改善されるまでには1~2週間かかります。
このタイムラグは、なぜ生じるのでしょうか?
それは、セロトニンを増やすことが、
即うつ病の改善につながるわけではないからです。
抗うつ薬や、電気けいれん療法を用いると、
脳由来神経栄養因子(BDNF)という物質が増加します。
BDNFは、神経細胞から放出され、
もう一方の神経細胞の突起を伸ばす働きがあります。
逆に神経細胞の突起が縮んでしまうのは、
ストレスを受け続け、脳の神経細胞が栄養不足に陥るためです。
(参考)>>うつ病~防衛本能がもたらす宿命~
そして、この「神経細胞の突起を伸ばすこと」が、
うつ病改善の一因にもなっているようなのです。
つまり、セロトニンが増加すると、すぐに
うつ病が改善され始めるわけではなく、
以下の過程を経るわけです。
抗うつ薬の服用
↓
セロトニン増加
↓
BDNF増加
↓
神経細胞の突起が伸びる
↓
うつ病の改善
抗うつ薬を服用しても、すぐに効果が現れないのは、
このような過程を経ているためだったのですね。
もちろん、そもそも抗うつ薬を飲んでも
効果が現れない人も数多くいらっしゃいます。
アメリカの実験では3人に1人は
抗うつ薬が全く効かないという結果が出ています。
精神安定剤など別の薬の場合の方が、
効果的な場合もあります。
さらに、抗うつ薬が効く場合でも、
抗うつ薬の種類はたくさんありますので、
ご自分に合う薬に出会うまでに、色々な薬を
試す必要があるかもしれません。
このように、抗うつ薬の効果を感じられるまでには、
時間がかかるということを理解しておけば、余計な
不安を抱くことも少なくなるのではないでしょうか。
個人的には、薬で無理やり症状を抑えようと
することは、一時的には効果があると思っていますが、
根本的な改善にはつながらないと考えています。
しかし、全面的に抗うつ薬を否定しているわけではなく、
うつ病初期など、症状の重い時には、薬を飲んで
一時的にでも症状を和らげる必要性はあると感じています。
うつ病を根本的に改善したい方は、こちらの記事をどうぞ。
>>うつ病 薬を使わない治療法~「体から治す」という考え方
薬で調子が上がってきたら、次はうつ病を早期に改善するために
自宅でもできる治療法を試してみることをオススメします。
私が最も効果を感じた方法は
「うつになりにくい体」を作る食事療法です。
実際の使用感などを詳しく書いています。
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私の体験談が何かの役に立つかもしれません。
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